50(青木行雄)

 この原稿がアップされる8月7日は私の誕生日。この日でついに50歳を迎えることとなる。まさかこんな年齢になる日がくるとは。東京オリンピックの開催が決定した際「これが行われる時は50オーバーか…」なんて漠然と思っていたが、本当にその年になってしまった。

 40前半あたりから、もう無理だろうなあと考えるようにはなっていたが、一度も結婚経験はなく、独身のまま。今、こういう男子が急増しているそうで、自分もそこに嵌まってしまった。一応、実家は出ているので流行の「子供部屋おじさん」というのには該当しないのだろうが、世の少子化に加担してしまっているのには責任を感じる。

 さあ、ここからどう生きていくか。そう遠くない昔に転職を考えたことはあったが、この年になると自分で起業でもしない限りは無理。競馬ブックに骨を埋める覚悟で頑張るしかない。正社員として10年。その後、契約社員として5年くらいは働かせてもらえるのだろうか。一度現場を離れて違う部署で仕事をしてみたい気もするが、これは自分で決められるものでもなく……。

 他社のトラックマンさん達を見ても、この業界にいる人は実年齢より確実に若く見える。自分も頭髪こそ薄くなったが、50よりは下に見てもらえるような気が。やはり、好きなことを仕事にできているという点が大きいのだろう。いまだにアイドルのライブも行くし、いろんなところに遠征するのも大好き。気持ちはまだまだ若いつもり。

 ただ、いろんな面で衰えを感じることは多い。まずは体力。その分、出張中の今は行けていないものの、地元の栗東では結構な頻度でジムに通っている。音楽などを聴きながらやっていると、時間が過ぎるのも早く、それほど苦痛には感じない。これは続けていけそうだが。

 あと深刻ではないものの、今ちょっと不安になっているのは、口の回転が悪くなってきたこと。ラ行がやや苦手な傾向にあり、ラジオでもたまに言葉が詰まってしまうことがある。普段、社内などでもあまり喋らない方なので、口が徐々に硬くなっていっているのかも。その不安を解消するべく、この札幌出張で「ひとりカラオケ」というものにチャレンジしてみた。「ひとり焼肉」というものは去年行ったのだが、「ひとり○○」というもので、これだけは高いハードルがあり、どうしても抵抗があった。ただ、友人に聞くと「凄く楽しいですよ」と言っていたので、思い切って挑戦。すると、実に楽しいもので、アッという間に時間は経過。延長までしたい気分になった。それほどカラオケ店がない栗東に戻って、これができるかどうかは微妙なところだが、大きな声を出すというのは大事なことかも。唄ったあとはちょっと口も軽くなった気がしたので、何とか継続して、滑舌をマシにしたい。一番好きだった放送の仕事が、最近はプレッシャーに感じることもあるので。

 そんな感じで50歳を迎えるが、40代の〆は札幌で交通事故に巻き込まれるという、なかなかの災難に遭った。これは後部座席でシートベルトをしていなかった自分が悪いのだが、車同士の衝突の衝撃で体が前に吹っ飛び、運転席の脇にあるアクリル板を割ってしまったほど。幸い、軽い切り傷と擦り傷。少しの首の痛み程度で済んだので良かったが、骨折なんてことになっていれば、出張を途中で切り上げ、誰かにバトンタッチという事態になっていたのかも。シートベルトの大切さというものを再認識させられた。

 まだ札幌出張も前半戦。若い気持ちは維持しつつ、怪我や病気にだけは気をつけて、残りの1カ月弱を乗り切っていきたい。

栗東編集局 青木行雄

 

青木行雄(調教担当)
昭和44年8月7日生 大阪府出身 A型
1993年入社。坂路調教担当。札幌開催時と西のローカル開催では本紙予想も担当。開催日はMBSラジオ「GOGO競馬サンデー!」、BS11「BSイレブン競馬中継」に出演。
6年目の札幌出張、開幕週はランキングもトップで予想が大当たりだったが、夜の街でも交通事故で大当たり。この流れだと2週目は更に予想が当たるのかと思いきや、なかなか苦戦の1週となった。出張中は馬券の成績が暮らしに直結するので、3週目は何とか頑張らねば。