7月9日水曜日
どこかに出かけなければ損してるんじゃないかとさえ思えてくるほど函館は好天でした。
他のトラックマンも出かけていたし、函館の晴れには不思議な魔力があります。
水曜日の追い切りのプレッシャーから解放され、原稿もひと段落。帰る前にどこかに寄ろうと調べていると、函館競馬場から目と鼻の先にある湯の川温泉のホテルの日帰り入浴がヒット。ホテルなのに1000円と安く、1Fと8Fに2つも風呂があって、特に8Fからの眺めが最高らしい。これは行くっきゃないということで早速予約しました。
お風呂につかり、2歳Sの本命は何にしようか、今日の夕食は何にしようか、などなど何でもない考えが浮かんでは消えていきます。そういえば来週はトレセン通信を書かなきゃいけないな、そうだ、函館で散々入っている温泉のことをネタにすればいいじゃない、ということで今回は温泉の話です。
私も来るまで知らなかったのですが、函館は温泉で有名。JRAの競馬場では唯一、馬用の温泉療養施設があることも滞在出張に来て初めて知りました。
2017年、27歳の時が初函館。当時はあんまり温泉に興味がなくてたまーに入るくらいだったんですが、最近は宿泊先のホテルでシャワーを浴びる回数と、外で温泉に入る回数がほとんど同じになってきました。他のトラックマンとも、あそこの温泉がいいとかあのサウナがいいとか、そんな話ばかりです。皆、おじさんになってきたということでしょう。
では、私の個人的おすすめを挙げていこうと思います。
【イマジンホテル&リゾート】
冒頭のホテル。
ここはよかった。1Fと8Fに2つ浴場があります。8Fは内風呂と露天風呂の2つでコンパクトなんですが、露天からの景色が素晴らしい。津軽海峡が目の前に広がり、右手には函館山。すぐ左には函館空港があり、私が入っている時にちょうど飛行機の着陸がありました。地元の方に聞いたら、山側を向いている風呂もあるとのことで、時間によって男湯と女湯が入れ替わるそうです。
1Fにはサウナなどがあります。シンプルな風呂と泉質でしたが、大変広くてゆったりできます。お風呂上りにアイスキャンディーのサービスがあるのもいい。
日帰り入浴の受付がネットからのみで事前決済が必要なので、混んでいないところも強調点です。
湯の川エリアでは以前は別のホテルがお気に入りだったんですが、毎年のように値上げされていくので、しばらくはイマジンホテルにお世話になると思います。
【花の湯】
函館の市街地から北、函館新道のインターチェンジの近くにある温泉。かつて滞在出張の先輩であった研究ニュースの今野TM(今は退職しています)曰く「無限にいられる風呂」。たしかに。
露天風呂が広く、その名の通り花が植えてあって気持ちがやすらぎます。近年はブームに乗ってサウナの数も増え、外気浴用のイスもたくさん設置してあるのでまさに無限風呂。横津岳の伏流水が飲用に流れていて、これがまた軟水でとてもおいしい。
【谷地頭温泉】
函館といえば谷地頭温泉。やちがしら、と読みます。函館市電の終点谷地頭駅から歩いて数分。
もともとは市営の温泉でしたが、何年か前に民間の営業となっています。
内風呂は低温、中温、高温の3種類ですが、低温でもやや熱め。とある騎手が高温の湯船にじっと動かず長時間入っているのを見て、なんか騎手ってすごいと思ったことがあります。
露天風呂は五稜郭の形をした檜風呂。
濃い茶褐色で、鉄分+塩分のパンチのあるお湯になっています。よく分かりませんが、成分の濃さでは函館屈指ではなかろうか。地元客のおじいちゃんおばあちゃんが多い印象で、大体自分が一番若い。
ちなみに入り口の横には「珍しい宝」を祀っているところがあるので、ぜひ見てみてください。
【七重浜の湯】
函館の隣、北斗市にある温泉施設です。国道228号線を使って、函館駅から20分くらいでしょうか。経営不振?で一時閉鎖されましたが、数年前に再オープン。フィットネスジムなんかも併設されている、ちょっと大きめの施設です。もちろんジムは使ったことがありません。
バブル期に作った?みたいなちょっと古い浴室ですが、露天風呂からの景色が売り。函館港や市街地、函館山が一望でき、天気のいい日は気分良く入浴することができます。
【ちゃっぷ林館】
素晴らしいネーミングセンス。その名の通り、北海道駒ヶ岳近くの林のなかにある温泉で、露天風呂からは駒ヶ岳が見ることができます。
駒ヶ岳(標高1,131m)には昨年、今年と続けて登っていますが、もともと登山には興味がないので下山後のちゃっぷ林館だけを楽しみにしています。入浴中は達成感が溢れているのですが、下から駒ヶ岳を見るとなんかまた登りたくなってくるんですよね不思議と。
お風呂は透明で少しとろみがあり、露天の方はそれほど温度も高くないので長い時間つかっていられます。
サウナは外にあるものと、午後から入れる内風呂の高温サウナの2種類。水風呂も内外に1つずつあって、何より自然の中の外気浴が最高。
登山後の温泉、みなさんもぜひ。
【上ノ国町国民温泉保養センター】
別名【湯ノ岱温泉】。
函館駅から車で1時間ちょっとでしょうか。七重浜の湯がある国道228号線を木古内まで進み、そこで右折して道道5号をしばらく行ったところにあります。
国民温泉保養センターと仰々しい名前がついていますが、山の中のこぢんまりした温泉です。
サウナもありませんが、個人的に泉質が大好きです。公式サイトによると炭酸泉とのこと。
35℃、38℃、42℃の3つの温度の浴槽があり、ぬるい35℃のところはそれこそ永遠に入っていられるほどです。自然と入浴時間が長くなり、帰ってからはぐっすりと寝ることができます。
函館からだと気軽に行ける距離ではないんですが、疲れがたまってきたここぞという時に行くようにしています。木古内駅の横にある道の駅で、名物の塩パンを買うのもお忘れなく。
追伸
これを書いていたらうずうずしてきて、最後の休日にドライブがてら行ってきました。湯量が豊富で、どばどばとかけ流されている源泉。温泉成分が積もって幾何学模様のようになっている床。深い湯船。源泉を使った打たせ湯など、本当に最高でした。低温と高温の温泉を交互に入り、滞在時間約2時間。指先がふやけていました。道南では一番好きな温泉かもしれません。
【ひろめ荘】
函館競馬場前の道道83号をずーっと東に進んだところにあります。住所としては函館市大船町ですが、旧南茅部町のあたりです。
露天風呂は道南には珍しい硫黄泉で、低温と高温の2種類があります。例によって低温でも普通に熱い。山形蔵王ほど硫黄の刺激は強くありませんが、入浴後はお肌がつるつるになっている気がします。
内風呂は無色透明な重層泉。重曹泉に入るたびに重曹泉ってなんだろう、調べようと思うのですが、常に忘れてしまいます。この文章を書いていてまた思い出したので調べてみると、なんかまぁ肌にいい泉質らしい。詳しいことはよく分かりません。
いずれにせよ、内と外でまったく違う2つの源泉がかけ流しになっている珍しい温泉ですね。
近くにある「山昇」というお寿司屋さんの海鮮丼が絶品で、しかも温泉とセットになって1,200円と格安なので少し遠いけど行く価値ありです。
ざっとこんなところです。
他に函館でよく行くのが昭和温泉、山の手温泉、北美原温泉、にしき温泉、乃木温泉なごみ、などなど。
どれも500円前後と安く、しかも源泉かけ流しが当たり前。シャンプーや石鹸がないところが多いんですが、それでも500円程度なら全然OK。
函館にいると温泉の面ではどうしても贅沢になっちゃいますね…。地元滋賀でもたまに行きますが、1000円超えが普通で、循環温泉で塩素の臭いもしてどうしてもねぇ。
今のうちに温泉に浸りまくって肌ふやかしておきます。
今回も馬が登場しないコラムですんまへん。次回にご期待ください。
栗東編集局 丹羽崇彰
丹羽崇彰(調教担当)
1989年2月1日生まれ。岐阜県出身。2013年、キズナがダービーを勝った年にケイバブックに入社。普段は栗東坂路担当ですが、今は函館に出張中。このあと札幌に行きます。
前回が東北旅行記で今回が温泉。私はただ遊んでいるだけの人だと思われるかもしれませんね。ちゃんと仕事もしております。
函館からちょっと遠いのですが、八雲や長万部あたりにも良さそうな温泉がたくさんあるんですよね。休日を利用して行ってみたいと思います。八雲町の「銀婚湯」はとくに行きたい名湯!
行ったことある方がいたら感想を教えてください。