真冬の小倉出張(丹羽崇彰)

関西所属のトラックマンの担当競馬場は基本的に京都、阪神、中京、小倉の4カ所。私の場合は夏が北海道、冬(関西で2場開催中)は本場にいることが多く、必然的に中京と小倉は縁遠い場所になってしまっている。

改装中の京都の代替として最近中京にはよく行くが、小倉は年に1、2回冬のローカル開催時に通うだけ。

先週はそんな珍しい小倉への出張があった。

【月曜日】
休日。
2月に33歳になったのを機に減酒と減量を心の決めたので、朝に散歩。ラジオ番組「オードリーのANN」を聞きながらにやにやしながら歩く。

いつもは火曜日に先週の競馬の振り返りをするのだが、週末の小倉への出張を控えて時間がないのでこの日にやる。朝のダメージが響いてめちゃくちゃ眠かった。

【火曜日】
休日。

小倉特別レースの下調べ。

ただ、登録頭数が多くて気乗りしない。「明日できることは明日、今日できることでも明日でいいなら明日」の悪い癖が出て、早々に寝ることを決意する。

22時就寝。

【水曜日】
追い日。5時半起床。調教班のトラックマンが一番緊張する日。栗東坂路は美浦南ウッドコースと並んで特に追い切り頭数が多く、朝一番は1分間で30頭以上来る。
7~12時が現在の調教時間。

帰社後、録画しておいた調教の様子を見直し、騎乗者、脚いろ、併せ馬の内外等々、坂路担当の3人で最終確認。正直眠たい。

これを整理して全部入力し終えるのが15時ごろ。

遅い昼ご飯を食べてすぐ仕事に戻ればいいのだが、元気が出ないので30分ほどぼーっとする。
16時くらいから小倉競馬に使う坂路調教馬の短評を入れる。単調作業に気がおかしくなりそうになりながら、20時前に作業終了。

そこから本紙担当のレースを調べたり調教VTRを見たりして23時ごろ帰宅。

ヘトヘトになってお風呂に入り、24時過ぎに就寝。

ダブル開催の時期は忙しいのは仕方がない。

【木曜日】
追い切り頭数は水曜日の5分の1くらい。

調教を見るだけでなく、空いた時間に原稿書いたり予想の続きだったり全力でやる。結構はかどる。

11時過ぎに帰社して諸々の作業をこなし、13時~14時くらいまでご飯食べたりうたた寝したり。
土日の出馬表が出る木曜日は会社に人が多いので、自宅でリモートワーク。

ここでも調教関係と予想が主な仕事。

16時過ぎに出馬表が出たら、想定外の馬がいないかなどチェックして、一気に調教関係の仕事を片付ける。調教解説の校正で「誤字多いよ」等文句を言いながらやるも、自分も「以前→依然、しかっり→しっかり」と間違えておりまぁ人間だからミスはあるか、と思う。そっと直す。

あとはひたすら予想。
小倉競馬土曜午後のパドック解説があったので、それの下調べもしていたのでいつも以上に予想に時間がかかる。

私はかなりスピードが遅い方かと思う、多分。

結局12Rの途中までやって眠気が限界。これではあかんということで寝ることにする。翌日の自分に期待して1時半就寝。

【金曜日】
昨日の自分、というか日付的には当日の自分に託されたので、4時半起床。
この業界に入って完全に朝方人間になったので、意外とつらくない。

予想の続きや雑務をこなして14時前に家を出て小倉へ移動開始。日のあるうちに現地に到着したいので、私は早めに出発します。

新幹線の中でフェブラリーS関係の原稿をやろうと考えていたが、結局京都~小倉間の2時間半ずっと外を眺めていた。京都駅構内でたまたま販売していた「ふたばの豆餅」を食べたことで仕事モードに入れなかったのが敗因。自分を過信した。いつものことで、特に病んだりしているわけではない。

小倉のホテルで仕事を進めるも片付かず。翌日の自分に期待する。

【土曜日】
4時起床。

現地に滞在中の坂井TMにお願いして車でピックアップしてもらい、競馬場へ。坂井TMは開催日の調教当番、私は記者席で仕事の続き。

レースが始まると、週刊誌に掲載する「次走へのメモ」を書く。この日の担当は1、3、6、11R。

4R終わりに小倉競馬場業務食堂名物「ちゃんぽん・大盛り」を食べたが、パドック解説に緊張していたのであまり味がせず。本当ならとてもおいしい。

6Rからはグリーンチャンネルのパドック解説と並行して仕事。パドック解説は半分当たりで半分外れ。反省することばかり。アシスタントの方とは初めてお会いしたのにバレンタインの義理チョコをいただき、終始気分は良かった。ありがとうございます。

全部の仕事を終えて17時半にホテル到着。減酒中だが、この日だけは開放感からしこたま飲む。九州に来たからにはつまみは鶏のたたき。ホテルに大浴場が併設してあるのが最高。

気絶するように眠ったので、何時だったか分からず。

【日曜日】
7時半起床。
週刊誌の原稿を1個まるまる忘れていたのを思い出し、慌てて準備。

8時半に競馬場到着。動揺している風を見せず黙々とやるが、それなりに焦っていた。

この日の「次走へのメモ」担当は2、5、8、11R。

朝の仕事の遅れを取り戻し、無事一日が終了。

日曜の午後は各トラックマンが疲れていて、明らかに皆口数が少ない。

17時くらいに競馬場を出発。散歩したりお土産を買ったりして19時前の新幹線で小倉を後にする。
22時半に自宅到着。
ベタだが、娘の寝顔を見て癒される。

ここから一杯やるのが常だったが、一滴も飲まずに寝た自分を褒めてあげたい。

こんな感じです。長々とお付き合いありがとうございます。

小倉に行かせていただけるのはとてもありがたいことですが、コロナで楽しみは半減。仕事的にもハードで、毎週出張している方はすごいと思います。

今後、平常時の1週間、北海道滞在時の1週間など書いてみたいと思いますので、その時はまたよろしくお願いします。

 

栗東編集局 丹羽崇彰

丹羽崇彰(調教担当)
1989年2月1日生まれ。2013年、キズナがダービーを勝った年にケイバブックに入社。普段は栗東坂路の調教や編集作業を担当。週刊誌の新馬紹介のコーナーを担当しているので、新馬の観察に特に熱を入れている。 北海道シリーズが大好き。

Twitterを@niwa_bookのアカウントでやってますので、よければご覧ください。