我々、美浦時計班の競馬開催時の仕事は大きく分けてふたつあります。

ひとつは競馬場に出向き、月曜発売の週刊ケイバブックに掲載される記事を書くこと(私の場合は主に「次走へのメモ」を担当しています)。

もうひとつは美浦トレセンに出向き、調教取材をすることです。土日でも調教は行われていて(追い切り頭数は日曜日の方が圧倒的に多いです)、中山開催時は4時、東京開催時は4時半に馬場が開場されます。これは当番制になっていて、大体2~3カ月に1回担当が回ってくる感じです。

先週末である2月1、2日は私の当番週だったので、日曜日にWコースで追い切られた馬のなかで、動きが良さそうに映った馬を何頭か紹介したいと思います。

 

ちなみに追い切りの時系列順です。タイムなどの詳細はぜひ競馬ブックwebでご覧ください。

 

ポークテソーロ(牡4歳 千葉厩舎)

まだ少し太めでゴツさもありますが、内めを回ったとはいえ直線での伸び脚は力強さ十分でした。中央未出走で能力は未知数ですが、通用の可能性はありそうです。

ザカート(牝3歳 高柳瑞厩舎)

ジョッキー騎乗馬を相手に手応えで圧倒しました。大きく先行していた分もあるかもしれませんが、まだ乗り込み量が十分でない段階であることを考えると及第点以上ではないでしょうか。

オルフェスト(牝5歳 池上厩舎)

控えめの調整だったでの全体時計はあまり速くありませんが、外ラチ沿いでシャープな脚捌きを見せていました。久々でも太め感はなさそうです。

マテンロウバディ(牡3歳 久保田厩舎)

低く安定した重心で、体の使い方も大きく、ダイナミックなフットワークを見せていました。現時点ではテンションもそこまで上がっていない印象です。

グロリアスヒーロー(セン6歳 高木厩舎)

目一杯に追うウシュバテソーロを尻目に、持ったままの行きっぷりで先着を果たしました。ウシュバテソーロがあまり稽古駆けしないタイプであるにしても、価値の高い攻め内容だったように思います。

ホウオウゴールド(牡3歳 栗田厩舎)

併せたブラックセイバーは未勝利とはいえ、それなりに稽古は走りますが、軽く促した程度でスッと先着。再仕上げとなりますが、以前より良くなっているのではないでしょうか。

コスモグラニット(牡3歳 清水英厩舎)

引っ張り切りの手応えで、併せた相手と同じ馬なりでもこちらの方が勢いは断然良かったです。デビュー前と比べると集中力も増している印象がありました。

ニシノライコウ(牡5歳 古賀厩舎)

後ろにいた2頭を先導していましたが、行きっぷりが抜群で結局単走の形に。テンションが上がり過ぎると良くないですが、叩いたことで力強さはアップしている印象です。

ジョージテソーロ(牡4歳 嘉藤厩舎)

時計はそこまで速くありませんが、推進力のある走りで見た目には迫力が十分伝わってくる動きでした。前走で好走を果たしましたし、復調してきているのではないでしょうか。

ロングウェイホーム(牡3歳 伊坂厩舎)

まだ若干緩めで、もうひと絞りがベターかもしれませんが、豪快なフットワークで年長馬と互角以上の動きを見せていました。

エリカエスティーム(牝4歳 宮田厩舎)

バランスのとれた走りで、体全体をしっかりと使えていました。以前から稽古駆けする馬ですが、この中間の動きもいいです。攻めだけ走れば勝ち負けになるはずなのですが。

シルバーレイン(牡3歳 萩原厩舎)

バネの利いた走りでキビキビと動けていました。以前は少し非力かなと思っていましたが、大分パワーもついてきた印象です。

テソリーノ(牡3歳 青木厩舎)

残り1ハロン標識までは同厩馬の後ろにいましたが、ゴール前で一気に並びかける加速力を見せました。前進気勢があって、初戦から力を出せそうなタイプです。

ターコイズフリンジ(牡4歳 田中博厩舎)

ボリューム感のある体つきで、一完歩毎の推進力も抜群です。久々で中身がどうかですが、能力的には昇級しても通用するはずです。

 

以上です。

週末の追い切り情報は他にはなかなかないものなので、馬券検討の際にはぜひ参考にしてください。

 

美浦編集局 唐島有輝

 

 

唐島有輝

1993年7月11日生まれ。美浦調教班。

2カ月ほど前、実家に帰った際に母が「好きなものを買ってあげるよ」と言ってくれたので、ティファールの卵焼き器をおねだり。今までホームセンターで買った18センチのフライパンで端を折り畳みながら作っていたのです。これが作りやすさが段違い。素材も素晴らしく、まったく焦げつかずに最高傑作の卵焼きが完成しました。次は自力でティファールの鍋セットを買えるように、お仕事がんばるぞ!