小倉コース(山田理子)

 小倉芝コース。1周1615m、直線293m。福島競馬場(1周1600m、直線292m)に次ぐ小ささだが、幅員30mはローカル6場で最も広く、高低差3.0は中山5.3、京都外4.3、函館3.5、中京3.5、京都内3.1に次いで6番目。小回り、平坦のイメージが強く、実際6階記者スタンドから見下ろしても坂の存在感はないが、2角のアップダウンが特徴となる。今週日曜の小倉記念が施行される芝2000mを例にとれば、スタートからの上り下りはこう。
 スタンドから右手のポケットからスタートし、最初のコーナーまでは472mあり、ゴールを少し過ぎた残り1600mの地点までは平坦。1~2角(残り1600m→1280m地点)で3.0m上がり、上がった分を、2コーナーから4角にかけて下るレイアウト。2角から向正面前半(残り1280m→960m地点)で1.9m下り、向正面半ば(残り960m→680m)は平坦、向正面後半から3~4角(残り680m→400m)で1.2m下り、残り400mからゴールは平坦となる。
 開幕週に施行された芝2000mは以下の2鞍。
1日目9R 国東特別(古500万) 勝ち馬ワンスインアライフ 1分58秒4
2日目4R 3歳未勝利 勝ち馬ゴードン 1分59秒8
【通過タイム】
34.5―46.8―58.7―1.10.4―1.22.2―1.34.1―1.46.1 上がり4F48.0 3F36.2
35.0―47.5―59.7―1.11.8―1.23.7―1.35.6―1.47.4 上がり4F48.0 3F36.1
【通過ラップ】
12.1―11.1―11.3―12.3―11.9―11.7―11.8―11.9―12.0―12.3
12.6―11.1―11.3―12.5―12.2―12.1―11.9―11.9―11.8―12.4

 スタートからの2Fは平坦で最初のコーナーまでが長いため序盤で速くなりがちで、惰性で1角の上りに入るが、頂点を迎える4F目(残り1400m→1200m地点)で最もラップが緩む傾向。しかし、2角からは下り、そこからは緩やかな下りか、平坦となるため、中弛みがないペース配分。持続的なスピードが要求され、それまでヨーイドンの瞬発力比べで泣いていた馬が巻き返すのに格好の場となる。初日の国東特別を4馬身差で圧勝したワンスインアライフは全3勝が小倉2000mでのものとなった。

 小倉ダートコースは、1周1445.4m、直線291.3m、高低差2.9mで、起伏は芝とほぼ同じ。こちらは日曜の準メイン・天草特別(ダート1700m)を例にとると、スタートからこうなる。スタンドから右手、直線入り口からスタートし、最初のコーナーまで343m。1角まで(残り1320m地点)はほぼ平坦で、1~2角(残り1320m→1160m)で2.3m上がり、2角から向正面前半(残り1160m→880m)で1.4m下り、向正面半ば(残り880m→660m)は平坦、そして、向正面後半から3~4角(残り660m→400m)で1.5m下り、残り400mからゴールはほぼ平坦となる。
 1週目に行われたダート1700mは以下の6鞍。
1日目2R 3歳未勝利 勝ち馬エイシンスペード 1分46秒9
1日目6R 古500万・牝馬 勝ち馬タガノヴェローナ 1分45秒6
1日目11R 薩摩S(1600万) 勝ち馬マインシャッツ 1分44秒0

2日目2R 3歳未勝利・牝馬 勝ち馬チークトゥチーク 1分46秒8
2日目7R 古500万 勝ち馬サンライズウィズ 1分45秒9
2日目9R 響灘特別(1000万) 勝ち馬ヨシオ 1分44秒7
【通過タイム】
36.2―49.1―1.01.7―1.14.3―1.27.2―1.40.3 上がり4F51.4 3F39.0
36.6―49.4―1.01.9―1.14.3―1.26.8―1.39.3 上がり4F49.9 3F37.6
34.9―47.0―59.4―1.11.9―1.24.7―1.37.6 上がり4F50.9 3F38.4

36.0―48.6―1.01.2―1.13.8―1.26.7―1.40.0 上がり4F51.9 3F39.4
35.7―48.2―1.00.5―1.12.9―1.25.8―1.39.2 上がり4F51.5 3F39.3
35.6―48.0―1.00.4―1.12.9―1.25.4―1.38.2 上がり4F50.5 3F38.1
【ラップタイム】
7.0―10.9―11.7―13.1―12.8―12.4―12.8―12.9―13.3
6.9―11.1―12.1―13.0―12.6―12.3―12.5―12.5―12.6
7.1―10.8―11.0―12.0―12.2―12.5―12.6―12.9―12.9

7.0―10.8―11.9―12.6―12.6―12.5―12.8―13.0―13.6
6.9―10.6―11.8―12.7―12.4―12.2―12.6―13.2―13.5
7.0―10.9―11.5―12.3―12.5―12.4―12.5―12.5―13.1

 芝コースとほぼ同じアップダウンで、4F目でラップが落ちる傾向にあることを踏まえると、1日目の薩摩Sの12.0、2日目の響灘特別の12.3は速い。2頭で離して逃げて2着に粘ったプレスティージオ(薩摩)、自らペースを作って後続を振り切ったヨシオ(響灘)は評価できる内容と言えそう。

 芝の時計はほぼ水準。トラックバイアスはなし。ダートは含水率が低くパサパサとして重そうな割に時計は案外速い。

 1週を終え、自戒の念を込めていろいろ考えてみましたが、今週は台風の影響がどうかですね。

栗東編集局 山田理子

山田理子(調教・編集担当)
昭和46年6月22日生 愛知県出身 B型
水、木曜のトレセンではCWをお手伝いしながら障害コース、Bコースを採時。日曜は隔週で坂路小屋へ。調教時間が何より楽しく、予想で最重要視するのは数字よりも生身の馬の比較。人気薄の狙い馬、危ない人気馬を常に探している。09年より関西障害本紙を担当。週刊誌では15年より新たに「注目新馬紹介」のまとめ役を引き継ぎ、新馬の観察に一層力が入っている。