束の間の休息(田村明宏)

 この原稿が掲載されるのは12月28日。ホープフルS当日の予定だ。28日にこのレースが施行されるようになってもう6年目。一昨年は例外的に26日開催だったが、基本的には中央競馬開催の最終日に固定されている。今年の場合は25日に有馬記念があって中2日開くことになる。昭和生まれでそれなりに長く競馬を見てきた私にとっては有馬記念の後にレースがあるのは未だに違和感があるが、新しいファンにとってはそうでもないのかも。年末の慌ただしさこそあるが、通常の仕事が終わったところで競馬を楽しむ。そういう習慣も定着していくかもしれない。ただ、今シーズンに限って言えば年明けが1月5日の金杯は通常通りとしても7、8、9日の3日開催と息つく間もない。あと4日しかないのでさすがに鬼に笑われることもないだろうが、来年のカレンダーを見るとうんざりしてしまう。

 原稿を書いて予想をして新聞も発行するので完全休養とは言えないが、26、27日の両日は競馬開催がなく少し時間に余裕がある。ライブで見ることはなかったが、26日に某ビールメーカーが主催した福永騎手と川田騎手の忘年会をYouTubeで視聴した。栗東所属の騎手で関東記者の我々が取材するのはもっぱら競馬開催当日。厳しい勝負の場で隙間時間を縫ってコメントを取るくらいで普段の様子を窺い知ることはないが、番組では少しお酒も入っていて素に近い表情を見ることができた。弊社とは無関係ながら興味を持たれたら是非、視聴して頂きたい。その二人も含めて競馬関係者は有馬記念を盛況のうちに終えることができてホッとしている。ただ、初のリーディングが懸かっている川田騎手は勿論、我々も残る1日を最後まで気を抜くことなく仕事に取り組んでいる。束とは古来の日本のモノの長さの単位で人間の指4本くらいだという。思うように時間は取れないが、指4本くらいの休養を挟んで真剣勝負する彼らの姿をしっかり観戦したい。

美浦編集局 田村明宏

 

田村明宏 昭和46年6月28日生 北海道出身 О型

波乱続きで1番人気が勝てないと言われていた今年のGⅠ戦線だったが、後半になって比較的順当な決着が続き、有馬記念も何とか的中、この勢いでホープフルSも的中といきたい。注目馬は悲願のリーディング獲得がほぼ間違いない川田騎手が乗る阪神10Rのジュンブロッサム。まだ、2勝クラスにいるのが不思議なくらいの素質馬で先々まで追いかけたい。