週刊競馬ブック誌上に掲載されている『トラックマンが推す今週の狙い馬』。その時代、その時代で体裁を変えながらずっと続いているコーナーですが、以前、営業部を通して読者の方からご意見を頂いたことがあります。それは、「今週の狙い馬と銘打ちながら馬の推奨理由がまったく書かれていないのはいかがなものか……」という内容で、〝ご意見〟というよりは、〝お叱り〟に近いもの。確かにこのコーナーを参考にして大事なお金を賭ける方にしてみれば、なぜその馬を推すのかという理由をきちんと述べてほしい、そんな思いがあって当然でしょう。
 改めて振り返ると、この『トラックマンが推す今週の狙い馬』は決め事というか、もろもろの縛りがけっこう緩く、かなりの部分で〝書き手まかせ〟のコーナー。個人の裁量でファンの方々に様々な角度・視点から、様々なメッセージを発信する、そんなスタンスで構成されるページになっています。
 したがって、ここにはいろいろな切り口の文章が混在することになります。あくまでも『狙い馬』のタイトルに忠実に、与えられたスペースを目一杯に使ってロジックを書き込むスタッフ、日々雑感を織り交ぜながら推奨理由にも触れるスタッフ、また、推奨馬はほぼ名前のみの紹介で、あとは自らの日常や趣味の話に終始するスタッフ……。
 私としては、推奨理由に相応の行数を割きながらも、現場スタッフの〝ひととなり〟に触れることができたり、日常の取材の様子が伝わるような雑感を交えた内容が理想ではないかと考えます。要はそのバランス。短い行数の中で、日々の雑感も、そして推奨理由もといったスタイルを採るのは大変でしょうが……。

 ただ、雑感を綴るにしても、注意すべきことは当然あります。
 まず、批判文。おかしいと思ったことをおかしいと主張するのは大いにけっこうですが、その主張は常に正々堂々たるものであるべき。例え話や著名人の言葉を借りて暗に何かを批判する……。正面切っては言わないけれど、火の粉が降りかからないような所からネチネチと嫌味を言う……。そんな卑屈な姿勢で書いた批判文は週刊誌に掲載するに値しませんし、周囲に必要以上の誤解を与えかねません。
 また、体調が悪い、忙しい、不摂生していますといった類の話。自らの近況を伝える意図で、たとえば「GⅠシーズンに入って忙しくなってきた」とか、「急に寒くなって風邪気味だ」程度のことならいいのですが、毎週のように「体調不良を押して仕事しています」とか、「毎日毎日ダラしない生活を続けています」とか、更には、「忙しくて忙しくて休めません。周りの人間が恨めしい……」とか、そんな泣き言を聞かされて読者の方々はどう感じるでしょうか?
 まあ、これらはあくまで私個人の見解。前述の通り、基本的には各々の裁量に委ねられているコーナーなので、よほどのことがない限り本人の書いた原稿がそのまま通ります。事実誤認に対する修正などを除けば、「内容に少々問題あり」と出稿者に修正を求めたケースは、私の知る限り、つまり美浦スタッフ分についてはほとんどありません。

 ところで、既にご存知のことと思われますが、そんな『トラックマンが推す今週の狙い馬』に、3カ月ほど前から美浦の若手TM2名が加わっています。昨年入社した石橋慶光と唐島有輝。2人に対しても、「このような内容で」といった指示は特に出していません。与えられた21字×8行というスペースを使って、ファンにどのようなメッセージをどんな形で発信していくのか……。それを自分自身で考えることから、このコーナーは始まるのです。
 両名とも、今のところ実直に〝狙い馬の紹介〟という内容に徹していて、逆に「もう少し遊びの部分があっても……」と感じるくらいですが、果たして、このスタンスをずっと貫くのか、それとも、時間と気持ちに余裕ができたところで、自らのスタンスが少しずつ変わっていくのでしょうか……。

美浦編集部 宇土秀顕

宇土秀顕(編集担当)
昭和37年10月16日生、東京都出身、茨城県稲敷市在住、A型。昭和61年入社。内勤の裏方業務が中心なので、週刊誌や当日版紙面に登場することは少ない。趣味は山歩きとメダカの飼育。
月曜朝、大阪北部を震源とする大きな地震がありました。被災された方々、余震の心配をしながら不安な毎日を過ごされている方々に心よりお見舞い申し上げます。