「最終レースは若い騎手」は本当か(坂井直樹)

 こんにちは、栗東の坂井です。

 「最終レースは減量騎手を買え」。聞いたことがありますか?業界内では時々聞かれるこのフレーズ。「1日の終わりに馬券を買うなら元気な若い騎手を」という意味があるのかどうなのか、なんとなくそう受け取ってこれまで来ましたが、そこを検証した記事を見たことがないな、ということで調べることにしました。果たして収穫はあるのでしょうか。

 調査対象は2013年1月5日から2023年12月28日まで11年分の最終レース。減量の有無を調査のファクターに加えるのもアリなのですが、「元気な若者が好成績かどうか」がテーマなので、平場特別を分けず、騎手の騎乗時年齢で成績を出してみました。パーセンテージは左から順に勝率、連対率、1~3着入着率です。さあ結果はどうか。

 

 

17歳(0.1.1.3)0.00%/20.00%/40.00%
18歳(56.45.56.852)5.55%/10.01%/15.56%
19歳(110.123.136.1856)4.94%/10.47%/16.58%
20歳(123.125.126.2112)4.95%/9.98%/15.04%
21歳(88.108.126.1749)4.25%/9.46%/15.55%
22歳(115.116.123.1647)5.75%/11.54%/17.69%
23歳(94.93.113.1483)5.27%/10.49%/16.83%
24歳(92.125.106.1402)5.33%/12.58%/18.72%
25歳(87.94.80.1250)5.76%/11.98%/17.27%
26歳(96.115.104.1188)6.39%/14.04%/20.96%
27歳(87.90.107.1175)5.96%/12.13%/19.47%
28歳(93.91.106.1190)6.28%/12.43%/19.59%
29歳(98.115.102.1275)6.16%/13.40%/19.81%
30歳(114.111.106.1232)7.29%/14.40%/21.18%
31歳(101.92.97.1056)7.50%/14.34%/21.55%
32歳(110.112.103.1079)7.83%/15.81%/23.15%
33歳(126.105.115.1069)8.90%/16.33%/24.45%
34歳(126.98.103.1159)8.48%/15.07%/22.01%
35歳(114.105.95.1217)7.45%/14.30%/20.51%
36歳(156.155.137.1338)8.73%/17.41%/25.08%
37歳(150.137.136.1350)8.46%/16.19%/23.86%
38歳(134.100.118.1126)9.07%/15.83%/23.82%
39歳(131.110.116.1115)8.90%/16.37%/24.25%
40歳(99.102.98.972)7.79%/15.81%/23.52%
41歳(83.85.95.1018)6.48%/13.11%/20.53%
42歳(99.98.91.999)7.69%/15.31%/22.38%
43歳(102.86.79.906)8.70%/16.03%/22.76%
44歳(53.85.76.778)5.34%/13.91%/21.57%
45歳(74.82.71.756)7.53%/15.87%/23.09%
46歳(55.52.51.609)7.17%/13.95%/20.60%
47歳(48.39.51.530)7.19%/13.02%/20.66%
48歳(32.54.38.453)5.55%/14.90%/21.49%
49歳(27.22.39.327)6.51%/11.81%/21.20%
50歳(22.22.20.270)6.59%/13.17%/19.16%
51歳(22.25.18.209)8.03%/17.15%/23.72%
52歳(22.17.12.161)10.38%/18.40%/24.06%
53歳(10.16.13.101)7.14%/18.57%/27.86%
54歳(13.11.9.78)11.71%/21.62%/29.73%
55歳(5.3.2.40)10.00%/16.00%/20.00%
56歳(0.1.3.20)0.00%/4.17%/16.67%
57歳(1.0.0.7)12.50%/12.50%/12.50%
62歳(0.0.0.1)0.00%/0.00%/0.00%

 ずらっと羅列したので見づらくてすみません。成績、ぱっと見た感じではそこまで極端な差は見られないように感じます。年代でまとめてみましょう。

 

 

10代(166.169.193.2711)5.13%/10.34%/16.30%
20代(1087.1183.1199.15703)5.67%/11.84%/18.09%
30代(1262.1125.1126.11741)8.27%/15.65%/23.03%
40代(672.705.689.7348)7.14%/14.63%/21.95%
50代(95.95.77.886)8.24%/16.48%/23.16%

 こう見ると、一定の母数を持ったうえで高い数字を残しているのは30代。20代は母数が多いことを考慮してもちょっと低く、10代は母数が少ないことを考えれば尚更低いといえそうです。勝率5%代の10、20代に比べると、40代の7%台、50代の8%台は極めて高いともいえるでしょう。

 30代と50代が互角の数字を残している結果が出るとは思いませんでした。50代の現役騎手はJRAには7人だけ。ピンポイントで狙うには狙いやすい人数ではありますが、いずれ劣らぬレジェンドの面々。馬券的妙味はむしろ30代の騎手かもしれません。「最終レースは30代から」。覚えておきましょう。

 

栗東編集局 坂井直樹

坂井直樹(調教・編集担当)
昭和56年10月31日生 福岡県出身 O型
 冬の小倉開催が終了し、今週から第三場は中京へ。毎週重賞が組まれ、最終週はGⅠ高松宮記念ですから、あまり裏開催感はない第三場です。裏を返せば本場といわれる中山や阪神がそれっぽくなるということでもありますから、馬券的な妙味はむしろそちらにあるのかもしれません。そこで今回のテーマを生かせ…るかどうかはあなた次第。