2週を終えた夏の中京。ここまでの4日間で、ディープインパクト産駒が僅か1勝というのはみなさんお気づきでしょうか。それも、初日第1Rの障害未勝利戦を制したタイセイドリームによるもの。つまり平地は未勝利なのです……。

 芝は(0.6.3.22)、全着順は時系列で(16)(2)(5)(7)(9)(11)(2)(8)(11)(4)(7)(11)(←良馬場)(2)(14)(17)(2)(3)(7)(2)(4)(4)(14)(←不良馬場)(5)(7)(9)(←重馬場)(3)(2)(3)(4)(5)(16)(←稍重)、その人気は(6)(4)(9)(7)(3)(4)(5)(3)(12)(2)(5)(1)(5)(11)(16)(1)(4)(2)(1)(6)(1)(10)(9)(8)(1)(3)(5)(2)(6)(1)(16)で、勝率.000、連対率.193、3着内率.290。1~3番人気でも(9)(8)(4)(11)(2)(7)(2)(4)(9)(3)(3)(5)と振るわず、1番人気で馬券になったのが3日目4Rのサトノケンシロウ、同9Rのレトロロックの2頭しかいない状況です(いずれも2着)。

 では、昨年2015年がどうだったかと言いますと、(4)(5)(2)(16)(10)(8)(5)(4)(8)(7)(8)(1)(12)(16)(2)(3)(18)(7)(11)(16)(8)(1)(6)、有松特別(1000万)でドラゴンストリートが、CBC賞でウリウリが1着となって存在感を示しているものの、2週間で23頭を出走させて1週間に1勝はこの父としては緩いペースであり、勝率.086、連対率.173、3着内率.217、1~3番人気で(5)(5)(4)(7)(8)(1)(2)(8)(1)。タフなコース形態のうえに、週中、開催中の雨が多い季節、更には本馬場を使った障害レースの施行(1日2レースの日も)の影響があり、パワーを要求されるレースになって苦戦する傾向が顕著に出ています。

 2015年のこの期間に芝で複数勝った種牡馬はキングカメハメハ(4勝)、ステイゴールド(3勝)、エンパイアメーカー(2勝)、ディープインパクト(2勝)。2016年のそれはキングカメハメハ(3勝)、ヴィクトワールピサ(2勝)、ステイゴールド(2勝)。また、双方の年で勝利を挙げているのには、キングカメハメハ、ステイゴールド、ヴィクトワールピサ、ハービンジャー、エンパイアメーカー、ハーツクライ、アドマイヤムーン。今年は、新種牡馬ルーラーシップの産駒が不良馬場で2頭デビューして、3番人気ダンビュライトが圧勝、8番人気グランドディアマンが5着に入線し、このコースのタフなレースに高い適性を示したのも見逃せないところです。

 ここまでディープインパクト産駒で人気よりも走って馬券圏内に入ったのは4頭いて下記の通り。
【初日古500万 芝1200m良】 決着タイム1分07秒7 パーリオミノル(4番人気2着、牝馬、444K、母父ディストーティドヒューマー)
【2日目3歳未勝利 芝1400m良】 決着タイム1分20秒4 ヒワラニ(5番人気2着、牝馬、466K、母父クロフネ)
【3日目3歳未勝利・牝 芝2000m不】 決着タイム2分07秒8 エイシンジルコン(5番人気2着、442K、母父ダイナフォーマー)
【3日目新馬 芝1600m不】 決着タイム1分40秒7 サングレーザー(4番人気3着、牡、474K、母父デピュティミニスター)
【4日目古500万 芝1400m稍】 決着タイム 1分21秒6 サトノユニコーン(5番人気2着、牡、474K、母父エルプラド)

 2015年にディープインパクト産駒が開催を通じて挙げた6勝のうち、4勝が良、1勝が稍重(残りの1勝はウリウリのCBC賞で重馬場)だったことも加味すれば、1着でリターンを期待できるのは良、悪くても稍重まで。残りの2週、うまくつき合っていきたいものですね。

 ちなみにダートは出走数自体が少なく2015年が(7)(1)(3)(15)(3)、2016年が(2)(8)(7)(6)(11)(10)となっております。

栗東編集局 山田理子

山田理子(調教・編集担当)
昭和46年6月22日生 愛知県出身 B型
水、木曜のトレセンではCWをお手伝いしながら障害コース、Bコースを採時。日曜は隔週で坂路小屋へ。調教時間が何より楽しく、予想で最重要視するのは数字よりも生身の馬の比較。人気薄の狙い馬、危ない人気馬を常に探している。09年より関西障害本紙を担当。週刊誌では15年より新たに「注目新馬紹介」のまとめ役を引き継ぎ、新馬の観察に一層力が入っている。