スプリンターズSから始まったコンビニプリント競馬新聞の「GⅠ特集号」で、「ファクター」の項目を担当(関西のレースのみ)することになり、先週までに秋華賞、菊花賞、エリザベス女王杯の3レースを終えた。実はこのコーナー、以前にも「GⅠ増刊」(タブロイド紙)で担当していたのだが、後進に譲り、その後、「TMトーク」(トラックマンの対談式コラム)に変貌したことで休止へ。しかし、本年秋から発売を始めたコンビニプリント新聞では紙面に余裕が十二分にあるため、再開する運びとなった。

 項目は(1)実績、(2)前走、(3)距離、(4)コース、(5)道悪の5つ。実績は週刊誌のGⅠ特別企画「考課表」との整合性を持たせ、この点数に準じたもの(明快にGⅠ、GⅡ、GⅢのグレードのタイトルに重きを置いた考え方)。前走は過去のデータから前哨戦と本番との関連性、前走のレースぶり、試走としての意味など。距離、コース、道悪は実際に記録した成績を尊重しながらも、当時の相手関係を吟味したり、結果が出ていなくても馬体、走法、血統、気性、レースぶりなどから適性を秘めているのではないかと推測したり。あれこれ思いを巡らせていると、規定の60行はすぐに埋まっていく。

 「展開予想」の文章と展開図も関西のレースは担当。本紙担当者と言葉を交わしながらシミュレーションし、ペース、有力馬のポジション、勝負どころでの各馬の思惑などを文章にまとめ、レースの推移による動きを図に表して視覚的に表す。コース形態と距離、過去の結果から見た該当レースの特徴、各前哨戦の結果などを頭に入れて文章と図を作り上げていくと、明らかな展開の有利不利が見えてくることがあり、これがなかなか面白い。ただ、厄介なのは、枠順発表後の赤入れ。枠順発表前に暫定的に作成しておくので、出馬表発表と同時に慌てて、時間に追われながら、不自然のないよう内外を入れ替える必要があり、時間が許す限り納得いくまで手を入れてOKを出す。
 このほかは個人のコラムを書くが、「GⅠ特集号」で参加しているのは主にこんなところ。一度、手にとってお試しいただければ幸いです。

栗東編集局 山田理子

山田理子(調教・編集担当)
昭和46年6月22日生 愛知県出身 B型
水、木曜のトレセンではCWをお手伝いしながら障害コース、Bコースを採時。日曜は隔週で坂路小屋へ。調教時間が何より楽しく、予想で最重要視するのは数字よりも生身の馬の比較。人気薄の狙い馬、危ない人気馬を常に探している。09年より関西障害本紙を担当。週刊誌では15年より新たに「注目新馬紹介」のまとめ役を引き継ぎ、新馬の観察に一層力が入っている。