懐だけじゃなくて、寒かった印象しかない今年の冬。
月も変わればと思っていたら、いまだに夜は暖房をしっかりつけないと仕事ができないほどの寒さ。風邪もひけないような今のご時世、日々、悪寒が来ないことを祈りながら過ごしています。
桜の開花予想も東京都では3月20日頃とか。
これが例年並みだというのだから、寒さは今年だけ特別にきつかったわけではなく、ここ数年、特に異様に暖かった昨年の印象が強かったということなのかもしれない。
確かに、若い時の印象だけれども、中山の桜が満開といえば日経賞の頃だったような気がする。今年の日経賞が3月26日なのだから、20日に開花ならちょうど満開がその頃かもしれない。
今少し我慢すれば、喉にはよくないであろう暖房を夜中まで使わなくても予想をすることができそうです。
そして、もっと切実な問題なのは懐の方。予想もさっぱりだけれども、それ以上に馬券がまったく当たらなくなってきた。
それもこれも寒さのせいと言いたいところだけれども、競馬の見え方がちょっとずつずれてきていたような。
バッターで言うならいろんな球を当てにいってしまって、しっかり振れてくなってしまったような感じでしょうか。
器用さのある人、そう馬券で言うならレースに応じていろんな種類の馬券を買い分けられる人がそれにあたるのかな。そういう人ならそれでいいのでしょうが、自分は器用さがなくて、基本的には単勝だけとヒットゾーンが狭い。それだけに得意の球が来たときにちゃんと振れるかどうかが非常に大事。
そんな状況は分かっていても、ちゃんと直していくのが本当に難しい。
自分自身の冬はもう少し続きそうです。
そんな真冬の日本と違って、暖かくてナイター競馬の似合う映像に映ったサウジカップデーの日本馬の活躍には驚かされました。
せっかくだから馬券を売ってくれればいいのに、なんて思っていたけれど、外国馬の穴馬を探すスタンスの自分にはかえって馬券が買えなくて良かったのかもしれない。
そして、今月末には馬券の発売があるであろうドバイワールドカップデーが控えている。関東からもシュネルマイスターなど多数の馬が参戦。
日本馬がどんどん海外に遠征する流れは今年も続きそうで、それはそれで馬券の延長戦があるみたいで非常に楽しみです。
しかし、その反面、先月行われたフェブラリーSは少し寂しいメンバーになってしまったような気もします。
もしも、そのメンバーにサウジカップに使っていたテーオーケインズとマルシュロレーヌがいたら……
そんな願いは少し贅沢過ぎるのでしょうか。
クラシック戦線のトライアルも頭数が揃わずに、早い段階で権利を取っている馬達はみんなぶっつけ本番。
消耗してしまうことを考えればそれでいいのかもしれないけれど、こちらもやはり少し寂しい気もする。
それでも馬券の売り上げは相変わらず好調。先週の弥生賞ディープインパクト記念では前年から22億円も増加して100億円を突破。
このあたりの感覚も自分は少しずれてきているのだろうか。
そう、こんな時にちょっと思い出すのが故野村克也さんの言葉「勝ちに不思議の勝ちあり」だろうか。
売り上げが好調な時こそ、隠れている危うい部分も考えておかなければならないのかもしれない。
いやいや、そんなことよりも今は自分自身の懐事情の方が大事だ。
先の言葉の続き「負けに不思議の負けなし」
連戦連敗の自分にはハッキリとした敗因があるはず。
それをちゃんと抉り出して、経済状況を健康体に戻さないとならない。
そもそも、今年ほど3歳クラシック戦線で関東馬が勝つことは珍しい。それなのに目の前で見ている筈の自分はすべて取り逃している。
新スタンドの調教の見方にまだ慣れてないのかもしれないけれど、そんなことは言ってられない。
もっと頭の中を整理して、この週末からの競馬に備えなければ。
そうすれば暖かくなって、新緑の映える頃にはきっといい流れになっているはず。
皆さん、どうか長い目で見守ってください。
美浦編集局 吉田幹太
昭和45年12月30日生 宮城県出身 A型
道営から栗東勤務を経て、平成5年に美浦編集部へ転属。現在は南馬場の調教班として採時を担当、グリーンチャンネルパドック解説でお馴染み。道営のトラックマンの経験を持つスタッフは、専門紙業界全体を見渡しても現在では希少。JRA全競馬場はもとより、国内の競輪場、競艇場、オートレース場の多くを踏破。のみならずアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、イギリス、マレーシア、香港などの競馬場を渡り歩く、案外(?)国際派である。