週末の台風が通過するとまた猛暑が復活という予報もあるようだが、何とか酷暑のピークは過ぎたかなというこの数日、いわゆる夏競馬も残り2週となってゴールが見えてきた。西日本豪雨で大きな被害を受けた方々にはお見舞いを言わなければならないが、この夏の中央競馬は幸いにも台風の直撃もなく無事に開催されている。モレイラ騎手の本格参戦など、秋の楽しみもあるが、今はラストスパートのもうひと頑張り、自分自身を叱咤しているという心情だ。
8月19日新潟8日目の11Rでヴァーノンに騎乗した丸田騎手に科せられた制裁が最後の直線コースでの御法(鞭の使用)についての戒告だった。8位入線で途中からは上位争いから脱落してしまったのでよほど熱心なファンでなければ気にしない記事かもしれないが、1週間でほぼ一回は出てくる制裁内容だ。文面だけを読むとよく分からないが、概ね1レース中に何回、鞭をどれだけ入れたか、その回数が一定の基準をオーバーした場合に科せられる制裁なのだ。国際基準でパートⅠ入りしている日本の競馬もルールは諸外国に倣うということで降着制度も見直されたが、鞭の使用方法も動物愛護という観点から様々に見直されている。先述した使用回数もそうだが、ステッキの構造もできるだけ馬体が傷まないように工夫されている。ただ、もの言わぬ馬を相手にするのだから結局は人間同士の了解が得られるかどうかということに行き着くのだろう。
馬の側から見れば叩かれて嫌なのかもしれないし、馬体に傷がつくこともあるだろう。だが、鞭を入れる騎手の立場からすれば目的は勝負どころでのゴーサインだったり、もうひと頑張りを促して何とか早くゴールへということに尽きると思う。ハミの掛け方や重心の移動もそうだが、直線でステッキを入れるのは騎手の武器のひとつだと思う。ゴール前の接戦の場面になればひとつの動作で勝負が決まるということもあるだろう。そこでステッキが多く入って馬が可哀そうという馬主さんはいないのでは?残暑を乗り越えるのに何か刺激が必要と感じている(鞭で叩かれる趣味はないが)ダレ気味のオジサンは思ってしまう。
美浦編集局 田村明宏
昭和46年6月28日生 北海道出身 O型
今週は本文でも触れた丸田騎手が騎乗する稲妻Sのレッドラウダに注目したい。2年前のこのレースの勝ち馬で重賞やオープンでも入着歴があるが、集中力の持続に課題があって勝ち切れない。同騎手とは4度目のコンビだが、そろそろ癖を掴んで勝ってくれるのではないか。