札幌出張を終えて(青木行雄)

 6週間の札幌出張が無事に終了。この原稿は八戸行きのフェリーの中で書いている。札幌も今年で5年目。開幕週は色んなことを思い出すのに多少時間がかかったが、それ以降は仕事に関しては概ねスムーズだったような気がする。予想は開幕週が好調。ランキングで1位が獲れたし、馬券も絶好調。その後も一進一退という感じだったので、開幕週に入金した電話投票のお金でずっとやりくりすることができていた。ただ、最終週が絶不調。日曜はついに今回の出張で、初めての現金買いをすることになってしまった。この最終週の傷が深く、6週トータルの馬券の収支は恐らくマイナスになっただろう。最後は気持ち良く締めたかったのだが、なかなか競馬は難しい。

 生活面では雨の日が多く、レインウェアを使う機会が多かったのにはちょっと参った。あと、電子タバコを吸い出したのが引き金になったのだろうか、咳が出だして病院へ2度行くことに。もう15年以上はタバコをやめていたのに、飲みに行った時は結構吸ってしまったなあ。もともとは超がつくほどのヘビースモーカー。ここらでちょっとブレーキをかけないと、体が過去の習慣を思い出してしまいそうで怖い。

 生活のベースとなるホテルが替わったのも大きな出来事。駅でいうと地下鉄南北線の北18条だったのが、札幌からだと、ひと駅進んだ北24条に。ただ、ひと駅違うだけでも街の雰囲気は異なるもので、今回の地の方がかなり賑やかだった。地元の方の紹介により、この街にも馴染みのお店が出来たのは収穫。基本はカウンターだけのこぢんまりとした店だが、出される料理はどれも確かだし、日本酒の品揃えはなかなかのもの。注文すると冷蔵庫から魚を丸々一匹ドスンと取り出し、捌くところから始まるアジフライは本当に美味しかった。冬に旅行で行った時にも、お世話になることだろう。

 また競馬場からは若干遠くなり、自転車通勤の自分は所要時間がプラス5分となった。ただ、このプラス5分は体力作りの面でいい方に作用したかも。他社の記者さんと2回ゴルフに行ったが、いずれも乗用カートを使わない歩きでのプレー。2年前にそのパターンで行った時はヘナヘナになってしまったが、今回はそれほど疲れることもなかった(スコアは代わり映えしなかったが)。昔は小すすきのと言われていたらしい北24条。個人的にはかなり気に入ってしまった。

 そんなことを書いているうちに、時刻は21時15分。フェリーが動き出した。八戸に着くのは翌朝の4時45分。一応、大浴場なんかもあるが、所要時間が中途半端で、翌日の運転を考えれば寝るしかない状況。18時間ほどかかる新潟行きの方が、心の底からゆっくりできる感じでやはり好きだった。今でもその便はあるのだが、まるでイジワルでもされているかのように、日曜の夜だけ運行されていない。何とかダイヤが変わってほしいものだが。

 明日は八戸の市場で朝食を取った後、陸路で新潟まで移動。去年も経験したのでそんなに不安な点はないが、問題なのは火曜日の新潟→栗東。今年最強クラスの台風21号が近畿を直撃する可能性が高い。北陸道で帰ったとすると、ちょうど台風を迎え撃つような形になってしまう。場合によっては東京方面に一旦南下し、そこから西を目指した方がいいのかも。ニュースなど見たいが、ここは2等寝台のため、部屋にテレビがない。もうすぐケータイの電波も届かなくなるだろう。無事に火曜日に栗東に戻れるのだろうか。気になる。

------そして1日が経過------

 予想通り台風は強い勢力を保ったまま、昼過ぎに近畿地方を直撃との予報。新潟の宿では朝食も楽しみのひとつなのだが、これを食べていては栗東到着がちょうど台風と重なってしまう。温泉につかりながら色々と考えた結果、朝食は諦めることを決断。宿を4時に出発することとした。順調にいけば6時間ちょっとで着くので、その時間だとまだ滋賀は暴風圏には入っていない。新潟の夜はコンパクトに楽しみ、早々に就寝。早起きは慣れたものなので、3時半にピシッと起床。プラン通り4時に宿を出発することができた。

 早朝とあって、さすがに道路も空いたもの。SAのグルメも泣く泣く見送り、安全運転の自分にしては飛ばし気味に北陸道を西下。滋賀に入ると曇りだし、ちょっと風が強くなることはあったが、北陸にいるうちは青空も見えたほど。ほとんど危険な場面に出くわすこともなく、10時過ぎに栗東に戻ってこれた。その数時間後にはご存知の通り、経験したことのないような強風が吹き荒れただけに、この選択は本当に良かった。

 最後にドタバタしたが、逆に印象深い出張の締めくくりとなった。札幌も5年経験したのでこれにて任期満了…という思いは強いが、自転車を処分せず知人に預けてきたあたり、また行きたいという思いもあるのだろう。

栗東編集局 青木行雄

青木行雄(調教担当)
昭和44年8月7日生 大阪府出身 A型
1993年入社。坂路調教を担当。札幌と西のローカル開催では本紙予想も担当。開催日はMBSラジオ「GOGO競馬サンデー!」、BS11「BSイレブン競馬中継」に出演。縦書きが主流だろうと思っていた北の地でも、競馬ブックのファンは意外に多いことが分かった。そんなこともあって、今回の出張で一般の方との付き合いの輪は更に広がった。地方に知り合いが沢山いるということは、何とも有り難い。ただ、本紙予想に関してはノーマークの馬に勝たれることも多かった。そういうファンの方たちのことを思うと、これは猛省しなければ…。暮れの中京まで本紙予想はお休み。気が緩みがちな時期だが、ラジオはレギュラー放送もあるので、気を引き締めて個人予想に取り組みたい。