今年も札幌へ(青木行雄)

 5年目の札幌出張が始まった。ラジオ放送がある分、直前の日曜も中京で仕事。翌朝の早い時間に移動という、なかなかの強行軍。土曜に関西で遊び過ぎたのが応えたか、日曜に競馬場から帰ってくると、荷造りもしないままにバタンキュー。翌朝の4時頃からバタバタと用意をする事態となった。

 予定より1本遅い電車で出発することにはなったが、空港には比較的余裕を持って到着。新しくなった伊丹空港は広々としており、時間を潰すにも非常に快適。景気づけにビールを1本グイッと空け、北海道へと旅立った。

 飛行機を降りるとタラップと機体の間から吹き込む風が涼しいこと。札幌へ向かう電車に乗り換え、ひとつ目の駅で扉があいた時は本格的に涼しい風が流れ込み、北海道に来たんだなあということを実感。今年の本州の暑さは異常と言えるものだけに、この爽やかさは何とも有り難かった。

 足早にホテルでチェックインを済ませ、今度は自転車を1年間預かってもらっていた手稲の知人宅へ。この日は夕方まで不在とのことだったので、物置から外に出して灯油タンクに繋げておいてもらっていた。1年ほったらかしではタイヤもペコペコだろうと思っていたが、空気はパンパン。チェーンもスルスル。直前に軽く整備をしてくれていたらしい。早くも道民の優しさに触れた。

 そこから宿まではおよそ10キロの道のり。今の関西でこれだけの距離をこいで帰ったら死んでしまいそうだが、涼しい北海道なら大丈夫。45分ほど要したものの、そんなにヘロヘロになることもなく、宿に到着した。

 その後は競馬場にパソコンや双眼鏡といった重い荷物を置きにいき、夕方は馴染みの居酒屋へ。1週目は調教班も火曜朝から出勤するので早目の切り上げとなったが、魚に野菜と北海道の食を楽しむことができた。

 さて今年の札幌競馬。目玉は何といっても内馬場に新設されたターフパークだろう。記者席からの眺めも随分と変わった感がある。一番に目に入るのは丸い屋根が印象的な休憩所の「はるにれドーム」。UMAJO SPOTとなる「クイーンズテラス」、馬場内指定席の「エルムテラス」もなかなか存在感がある。このエルムテラスは1テーブル2,000円。2~4名で使用できるということだから、値段的にも手頃と言えるだろう。ただ、これらの施設を作ったことにより、テントの使用が全面禁止になったのはちょっと淋しい気も。テントがズラーッと並ぶ様は、札幌だけの独特な風景だったので……。それでも開幕週分の馬場内指定席は既に売り切れということだから、地元ファンにも受け入れられているということだろう。

 仕事からは少し逸れるが、期間が長いだけに、今回から滞在するホテルが変わったことは大きな問題。各部屋に洗濯機が設置されている昨年までの宿も便利だったので、どうなることかと心配していたが、最新という感じこそないものの、造りはしっかりしているし、シャワートイレも完備。細かな温度調整ができるエアコンがついていたのも有り難い。前の宿とはひと駅しか離れていないのだが、街の様子も随分と違う。以前のところにはなかったファストフード、パチンコ、レンタルDVD、洒落た飲食店、レストラン、カラオケ、有名スーパーにパブまで。小すすきのといっても過言ではないくらい、煌びやかさがあるのには驚いた。まだまだ時間はあるので、痛い目にあわない程度に、いろんな店を覗いてみたい。

 ほぼ毎週、重賞レースが組まれており、終盤には騎手の招待レースも行われる札幌競馬。まだ2回開催の分のイベントは発表されていないが、例年は大物ゲストの登場もあるだけに楽しみ。普段はやっていないグリーンチャンネルのパドック解説が3回も入っているので、開催日の仕事は少し緊張感があるが、晴れやかな気持ちで9月2日のフェリーに乗船できるよう、せいぜい頑張っていきたい。

栗東編集局 青木行雄

青木行雄(調教担当)
昭和44年8月7日生 大阪府出身 A型
1993年入社。坂路調教担当。札幌開催時と西のローカル場所では本紙予想も担当。開催日はMBSラジオ「GOGO競馬サンデー!」、BS11「BSイレブン競馬中継」に出演。今年で札幌出張5年目ということは、裏を返すと小倉にも5年行っていないというわけ。北海道ほど知り合いや馴染みの店は多くないが、さすがにそろそろ恋しくなってきた。秋に開催される好きなバンドの博多でのライブチケットが当たれば、その流れで小倉にも遊びに行くことを企んでいるが、果たしてどうなるか。