2月13日の福島県沖地震の影響で春開催が中止になった福島競馬が今年、初めて開催され無事に3週間の日程を終了した。個人的な話だが、福島へは美浦からクルマ移動。必然的に長距離ドライブになる。昨年秋以来ということで久々のロングドライブ、しかも東京では発令されていた緊急事態宣言のない土地への出張で浮かれていた訳ではないが、磐越道を走行中にスピードオーバーで反則切符を切られてしまった。直前にゴールド免許を更新したばかりだったので残念なのだが、より慎重な運転を心掛ければいいのだから少し頭を冷やせばいいのだと解釈した。記者席も被害を受けて行動を制限され、通常とは違う仕様に。スタンドはより大きな被害があって無観客に。それでも何事もなく開催されたのは何よりで地元の方達とも交流させてもらった。

 1年延期され直前まで賛否両論あった東京オリンピックも基本的には無観客ながら開幕した。新型コロナの感染拡大が収まらない中でのスタートだけに始まるまでは延期もしくは中止でもと考えていたが、いざ始まれば自然と日本人選手を応援して結果も気になってしまう。競馬も含めて他のスポーツイベントも有観客でも制限がある中での開催だから本来の大観衆の中でのプレーではないのだが、選手同士の掛け声も聞こえて見ている方もより競技そのものに集中できる面はある。テレビ中継での観戦ながら純粋にスポーツを楽しむという意味ではいいのかもしれない。

 毎年のことだが、梅雨明けとともに猛暑が到来。梅雨明け十日という言葉通り、関東地方で7月16日の梅雨明け以降は厳しい暑さが続いていたが、台風8号の影響で前日から雨が降った27日の東京は最低気温が21.3°になり2週間ぶりの涼しい朝となった。夏本番はこれからでまた暑い夏が戻ってくるのだろうが、一旦は小休止して頭を冷やすにはいいタイミングだった。イギリスの経済学者マーシャルは学生達に経済学を研究するにあたって冷静な頭脳と暖かい心情をもって臨まなければならないと説いたという。冷静に考えれば過去の実績を重視する予想になるが、状態面や成長度を観察して心のこもった予想をする。夏の暑さを嘆いても仕方のないこと。冷静さを保ちつつも適度な熱意を持ち合わせてこれからの夏競馬に取り組みたいと改めて感じたのだった。

美浦編集局 田村明宏

田村明宏 (厩舎取材担当)
昭和46年6月28日生 北海道出身 O型
この原稿を書いている7月28日には早くも夏が復活した模様。今週も暑さとの戦いになりそうだ。注目馬は土曜メインに出走の予定のコマノウインクル。関西馬ながら新潟巧者で昨年はこの時期に休み明けで1勝クラスを勝ち上がった。ここを勝ってオープン入りへ。