先週末は台風19号が関東地方に上陸。まだ明らかになってない分も含めて多くの被害があっただけにお見舞い申し上げるとともに今後も十分にお気をつけ下さい。

 その超大型台風の直撃を受け、東京競馬の日程も大幅に変更された。中央競馬が佳境を迎えるシーズンだけにこのあとはとにかく無事にスケジュール通りに行われることを祈りたい。

 今回はこの秋のビッグレースでも一番の豪華メンバーが揃うと思われる天皇賞の有力馬について、今年、海外GⅠを制した2頭だけに絞った形でレポをお届けしたい。

 まず現役最強馬と目されているアーモンドアイについて。週刊誌でも既報の通りだが、夏場はいつも通り、ノーザンファーム天栄で過ごし、9月25日に美浦に帰厩。その後は順調に時計を出して2週前の10月10日には今週の富士Sに出走予定のプロディガルサンと併せ馬を消化。内から追走する形だったが、楽々と並びかけ、ゴール前は同入。帰厩した当時から感じていたことだが、精神面で凄くリラックスしているし、馬体も力強さが増している。結果論ではあるが、日本勢が惨敗した凱旋門賞にも行かなかったのは正解だったかもしれない。1週前の今週は例によってルメール騎手が乗って17日に追い切る予定。いつもの勝利予告が聞かれるのではないか。

 続いては春にクイーンエリザベスⅡ世Cを制しながら前走は期待を裏切ってしまったウインブライトについて。ステイゴールド産駒らしい成長曲線を描いて3連勝と軌道に乗っていたので久々でも期待されたが、オールカマーは思わぬ惨敗。だが、レース翌週の松岡騎手によると「香港遠征後に北海道の牧場に出て、リフレッシュして夏前に美浦に帰厩してからは一から仕上げ直す形でしたからね。馬体も見た目には仕上がっていても中身ができていなかったんでしょう。ただ、前走の大敗の後遺症はなく使って確実に上向いています」とのこと。こちらも中間は松岡騎手が付きっ切りで稽古にまたがり、17日に1週前の調教を消化する予定。ひと叩きして馬体は引き締まってきているし、ガラリ一変があってもおかしくない。

 年齢こそ1歳違いだが、ほぼ同時代に活躍し、一方は外厩施設と連携して放牧先でもしっかり乗り込んで一戦毎に全力投球タイプ。もう一方はトレセンでじっくり乗り込み、レースを使いながら調子を上げるタイプ。異なる特徴を持ちながらここまで実績を積み上げ、今回はまさに雌雄を決する初対決の舞台だ。嫌なことは忘れてワクワクしながら真剣勝負の時を待ちたい。

美浦編集局 田村明宏

田村明宏 (厩舎取材担当)
昭和46年6月28日生 北海道出身 O型
本文で取り上げたルメール、松岡の両騎手は今週、手塚厩舎の有力2頭に騎乗予定。東京土曜9RアイビーSのワーケアと日曜2Rプントファイヤーはいずれも確勝級だ。