1月26日(土)付でトラックマン志望の女性社員が入社しました。報道も含めた競馬サークル全体では女性の就業率は格段に上がっていて、トレセン内でも女性の姿は今ではまったく珍しくありませんが、小社にとっては私(94年入社)以来の女性記者。どう接していいものか、社内全体がそわそわした感じで手探りの栗東研修期間がスタートしています。
 私は性別が同じという理由で教育係となり、本腰を入れて任務を遂行すると心に決めてから、もう25年も前になる入社当時を思い返すことがしばしば。当時の様子は本コラム初回の自己紹介(「何で競馬記者に?~自己紹介を兼ねて」)で触れましたが、初めてトレセンに入ったときの衝撃、馬を間近にしたときの生き物が発する圧倒的な熱量、終日競馬用語が飛び交うたばこの煙もくもくの編集部(当時は喫煙可でした)、諸先輩と交わしたひとつひとつの言葉が昨日のことのように頭に浮かびます。そして、特殊な世界に飛び込んだ緊張感はその後何年ものあいだ長く長く続いたものでした。

 美浦所属の予定である彼女は、栗東の研修期間でいかに多くの経験をするか、いかに多くの人々と言葉を交わすかが命題。水曜、木曜早朝の調教ではストップウォッチでタイムを計り、双眼鏡で馬を見て、水曜午後には厩舎取材について回ります。社内では原稿を書いたり、予想をしたり、電話の応対をしたり。週末には京都競馬場、阪神競馬場、中京競馬場に出向き、あるいは居残り当番の週に開催日の調教に出るなど。新聞、週刊誌配りの雑用も盛り込んで、研修カリキュラムを組んでいます。

 名前は和田恵実(わだ めぐみ)といいます。なかなか人なつっこい性格をしております。週刊誌、当日版、WEB、動画などでみなさまにお目にかかるのはまだしばらく先になりますが、いつの日か、地上に出る日のために準備を始めた花蕾がおりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

栗東編集局 山田理子

山田理子(調教・編集担当)
昭和46年6月22日生 愛知県出身 B型
水、木曜のトレセンではCWをお手伝いしながら障害コース、Bコースを採時。日曜は隔週で坂路小屋へ。調教時間が何より楽しく、予想で最重要視するのは数字よりも生身の馬の比較。人気薄の狙い馬、危ない人気馬を常に探している。09年より関西障害本紙を担当。週刊誌では15年より新たに「注目新馬紹介」のまとめ役を引き継ぎ、新馬の観察に一層力が入っている。