美人と厩舎での過ごし方(赤塚俊彦)

 以前・・・と言ってもまだ世の中に「コロナ」なんて言葉が流行る前ですから3年、4年ほど前でしょうか。出張先で厩舎スタッフと酒席を共にしていた時のこと。話は数年前にその厩舎で重賞を勝つなどして活躍した、とある馬の話になりました。

 

「あれは頭が良かったからね。馬房での過ごし方も凄く礼儀正しくて、こっちが掃除に入れば隅っこに寄ってくれるし、ボロなんかもいつも決まったところにしてくれた。だから扱いやすかったよ」

 

そう話すのは当時その馬を担当していたA助手。これはちょっと意外。個人的に、その馬はレースで折り合いを欠く面があったり、どちらかというと少しテンションが高いタイプだと思っていたからです。

 

「全然、全然。レースに行って少しハミを噛むかなっていう時はあったけど、普段はそれほどテンションが高いわけではないし、利口な馬だったよ。優等生だった。やっぱりそういう頭のいい馬は走ってくる馬が多いよね。全部が全部当てはまるわけではないけど、馬房の中の過ごし方が悪い馬もいるわけで、例えば、掃除の邪魔をしてきたり、しちゃいけないところにボロをしたり・・・。そういう馬はなかなか未勝利を勝てなかったりするね」

 

これには同席していたB助手も同意。そしてそのB助手は「あとやっぱり牝馬の場合、美人は走りますよ。顔立ちがいいなって思った馬が未勝利で終わることは少ないですね。ちゃんと1つ2つ勝って出世してくれることが多いです」と教えてくれました。

 

 近年、美人な馬として話題になったのはやはりアーモンドアイでしょうか。ひと際、目がクリッとして大きく、かわいいと言われた同馬の活躍は今更多くを語るまでもないでしょう。他にはブエナビスタや、現役馬ではメイケイエールも美人と話題になっています。

 

 コロナウイルスによる取材の規制もあり、私たちも厩舎にお邪魔する機会が減り、なかなか馬房での様子を見ることはできなくなりました。このあたりはスタッフに話を伺うしかありませんが、調教や運動などでも顔を見ることはできます。皆さんもパドックで美人な牝馬を見つけたら、買ってみて、追いかけてみてはいかがでしょうか。

 

赤塚俊彦(厩舎取材担当)

1984年7月2日生まれ。千葉県出身。2008年入社。美浦編集部。

Twitterやってます→@akachamp5972

今回は業務の合間の空き時間に30分ほどで校了。個人的に最近美人だなーと感じたのはブッチーニですね。白い肌(?)に睫毛が長く、こちらも大きな瞳が印象的。ちょうど今週は阪神牝馬ステークスに桜花賞と牝馬が主役の1週間。桜花賞の登録馬には名前からしてビジンな馬がいますが、是非、いろんな牝馬のその顔にも注目してみて下さい。皆さんがこれまで見た中で美人だった馬は何ですか?