障害戦のスクーリング風景(坂井直樹)

 こんにちは、栗東の坂井です。

 この「週刊トレセン通信」の一員となって丸1年。今年の冬もやっぱり小倉競馬場に長期滞在しています。どんなことをしているかは昨年のエントリをご覧ください。ほぼ同じことをやっています。

▲4年前。手前の芝コースとの色の差が顕著

 例年と大きく違うことといえば、この冬の小倉で障害戦が開催されているということ。私も前例を探してみたのですが見当たらず、おそらく初めてのことなのではないかと思われます。馬場も使用するに当たってオーバーシードされたのでしょう、昨年は茶色だった障害コースの芝が今年は緑色になっています。滞在騎手の顔ぶれにも若干の変化があり、開催当初から障害戦を中心に騎乗する上野翔騎手の姿があります。

▲10頭が5号障害に集結

 障害戦があるということで、今年はレース前日(主に金曜日)に、出走予定馬がスクーリングのために障害コースに入る場面を見かけます。8週間の開催中、障害戦は週に3鞍ずつ組まれているので、それなりの頭数が毎週小倉に集います。騎手の数は限られていますから全馬が一気に出てくるわけではないですが、それでも騎乗する騎手の数だけ馬が出てきます。見かける、と書きましたが、障害戦好きの私は毎週、そちらに目を奪われてしまいます。

 

 向正面の出入り口から列をなして入場し、1号障害、2号障害と順に見せ、2角から逆回りに進んでタスキコースの入り口の3号障害へ。そこからタスキの4号坂路(バンケット)を駆け上り3角へと向かいます。

 スタンド前まで進むと再び5号障害、6号障害、7号障害と障害をじっくり見せ、少し戻って7号障害の手前から勢いをつけ、7号障害を飛んで再び1角から向正面へ。2860mの実戦と同じ順路でコースを進んでいくのです。

 3390mのオープン戦(この2開催で4鞍開催)は、スタンド前から逆回りにスタートして5号障害を飛んで向正面へと進むコース設定。このレースに出走する馬は5号障害を逆方向に飛ぶ練習もしていました。まさしく「予行演習」です。

 栗東でも障害練習をする姿は毎週観察していましたが、実際にレースで使われるコースでの練習となると一層見入ってしまいます。翌日の競馬に使われる馬ばかりが目の前を飛んでいくのですから当然でしょう。じっくり見ていると愛着も湧いてきます。ただ、本紙予想担当としては肩入れは禁物。愛読者の皆さんのために、あと1カ月、小倉でじっくりと定点観測を続けていきたいと思います。

栗東編集局 坂井直樹

坂井直樹(調教・編集担当)
昭和56年10月31日生 福岡県出身 O型
2004年入社。第3場開催での中京では障害の本紙予想を担当していましたが、中京は周回コースをぐるぐる回るいわゆる「順回り」。タスキのある障害コースの本紙予想はこの小倉が初めてでした。ああでもないこうでもないと想像(妄想?)を繰り広げつつ、的中に向けていつも以上に時間を費やしております。