久々の吉き日を祝う(田村明宏)

 今週の日曜日は今年初めてのGⅠレース、フェブラリーSが行われる。中央競馬の仕事に携わっていると通常であれば土日は仕事の日。そして、一般の方々にとって休日明けになる翌月曜日が休みなのだが、今年は2月23日の次の月曜も祝日に。昨年のゴールデンウイークのように週中が休日になってもあまり関係ないので無頓着だったが、今年から今上陛下の誕生日が2月23日になり、当日が日曜の今年は翌日が振り替え休日ということになったのだ。天皇誕生日が祝日になったのは明治時代から始まったようだが、昨年は改元の関係で天皇誕生日が存在しない珍しい年になり、一昨年の12月23日以来、1年2カ月ぶりの祝日ということになった。

 社会人になってから北海道を離れて過ごすようになった私にとっても今年は記憶にないくらいの暖冬で例年に比べて春が待ち遠しいという気持ちはあまりなかったが、未だに収束の兆しがない新型肺炎の流行を考えると早く寒い時期は過ぎ去ってほしいと思う。昨秋の大型台風接近の時の食料品の買占めも異様な光景だったが、昨今のマスクの買占めは何だろうか。確かにこれから花粉のシーズンが始まるし、冬場なのである程度の需要はあるだろうが、少し行き過ぎとしか思えない。病気の予防が必要なのは確かだが、あまりにも不安な情報に振り回されているような気がする。専門家でもない私が軽はずみなことも言えないが、通常のインフルエンザの方が重症患者も多いと聞く。3月1日予定されている東京マラソンでは一般参加も中止になったようだ。万が一を想定することも重要だが、過度な自粛ムードにも違和感を覚える。

 幸いにして中央競馬関係では影響は出ていないし、GⅠ戦線も今週からスタートし、競馬が更に盛り上がっていく季節だ。偶然ながら平成最後の天皇誕生日には有馬記念が行われて令和最初の天皇誕生日にもGⅠが開催されることになった。今回のフェブラリーSが素晴らしいレースになって鬱屈した気分を晴らしてくれればいいし、新しい天皇誕生日の祝賀ムードを盛り上げてくれればと願わずにいられない。久々に訪れた国民にとっての吉き日を祝いつつ、世の中の空気が明るくなることを期待する。

美浦編集局 田村明宏

田村明宏(厩舎取材担当)
昭和46年6月28日生 北海道出身 O型
今上陛下と誕生日が同じということで今年から自身の誕生日が祝日になる横山典騎手。日曜メインのワンダーリーデルも当然、注目だが、土曜2Rで騎乗予定のリュードマンに期待したい。初騎乗の前走で追走に一杯だった前走から今回は距離を延ばし、2100mへ。能力はあり、条件替わりが嵌まるようなら。