調教取材の下準備~小倉編(坂井直樹)

 こんにちは。今年からこの週刊トレセン通信の一員に加わることとなりました、栗東編集局の坂井です。よろしくお願いします。

 さて、「栗東編集局の」とは言いながら、私は現在、小倉競馬場にいます。基本的にJRA所属の競走馬たちは、美浦・栗東の両トレセンで調整され、競馬の前日や当日に競馬場に移動してレースに出走するわけですが、両トレセンから遠い札幌や函館、そして小倉開催は現地に居残って滞在をするパターンがあります。馬がいれば取材をしなくてはなりません。開催期間中、競馬開催日以外も想定班(厩舎取材)、時計班(調教取材)ともスタッフが常駐する必要があるわけです。

朝7時を少し回った小倉競馬場。照明の助けが必要
▲朝7時過ぎ。まだ薄暗い

 そんな冬の小倉滞在生活も7年目(おそらく)。6週開催の3週目に突入する今週は29日の時点で在厩頭数が240頭ほどと、例年くらいの数になりました。先週使われた馬も多いのですが、1週目に使われた馬もそれなりに残っているので、今週も追い切りはそれなりの頭数になるはず。調教開始の7時はまだ薄暗いこともあり、採時前は「ちゃんと採れるだろうか」と不安に駆られるのです。何年経っても、ここは変わりません。

 滞在するのはほぼ関東馬。追い切りをつけるジョッキーも美浦所属のジョッキーばかりです。一方、私は栗東の時計班なので、1週目最初の仕事は「誰が来ていて、どんな服装なのか」の確認。紙面の調教欄には騎乗者を載せますから、これも大事な仕事。全休明けで追い切りのほとんどない火曜日にこれを終えないと、追い日に苦しむことになります。騎手は青帽が基本。たまに白帽、デビュー1年目のうちは黄帽です。

 今年滞在しているのは15人ほど。レギュラーといえそうなのは五十音順に木幡初騎手、嶋田騎手、杉原騎手、丹内騎手、西田騎手、原田和騎手、藤田菜騎手、的場勇騎手、黛騎手、丸田騎手、横山武騎手。今年は更に勝浦騎手、小林凌大騎手、柴田大騎手、山田敬騎手が加わり、2週目には吉田隼騎手も調教をつけていました。

 白帽の丸田騎手、1年目で黄帽の小林凌大騎手は見分けやすさでは断トツ。青帽だと、スタンドから分かりやすいのは木幡初騎手。黄色いボンボンをつけ、ヘルメット左側面には黄色い文字で大きく「初也」と。これが時計班には大変ありがたい。原田和騎手は、黄色いステッカーが両側面に。右側面のステッカーは蛍光イエローのウサギです。他にも、白いボンボンが横山武騎手、赤いボンボンは吉田隼騎手。

記者室からはやや遠い。前が嶋田騎手、後ろは的場勇騎手
▲前が嶋田騎手、後ろは的場勇騎手。記者室のあるスタンド6階から見るとかなり小さい

 ヘルメットに大きな特徴がない場合は、服装で判断するしかありません。今年断トツで目立つのは、黄色いダウンを着た勝浦騎手。西田騎手は明るい水色、的場勇騎手は薄めの水色、嶋田騎手は紫(フィエールマンのブルゾン?)、深緑が杉原騎手(こちらはタイキレーザー?)、といった具合。丹内騎手と山田敬騎手は赤。山田騎手は年末のヤングジョッキーズシリーズのオリジナルブルゾンでした。これは栗東だと坂井瑠騎手が着ているのを見かけます。あとのジョッキーは黒ベース。

 季節が変われば服装も変わります。記念品で作られたブルゾンで同じ服装が一時的に大量発生、なんてこともありますが、どの騎手もワンシーズンはおおよそ同じ格好で騎乗しています。グリーンチャンネルなどの調教VTRで、周囲にいる騎乗者が分かるようになると、映像の見え方が変わってきます。そんな楽しみ方をしてみるのも、面白いかもしれませんよ。

栗東編集局 坂井直樹

坂井直樹(調教・編集担当)
昭和56年10月31日生 福岡県出身 O型
2004年入社、気づけば今春で丸16年。小倉生まれで、毎年のこの出張は「里帰り」。栗東トレセンではCWコースの調教取材、編集スタッフとしては重賞の過去10年の傾向などを担当。文章を書くのは決して得意ではないですが、これからちょくちょく当コラムに現れます。よろしくお願いします。