来年の開催日割を見て(青木行雄)

 ひと月ほど前に、平成30年の開催日割が発表された。厩舎関係者や放送局なんかもそうだろうが、我々トラックマンにとっても、これはなかなかのビッグイベント。滞在の出張が絡んでくるだけに最も重要なサマーシリーズは、今年とまったく同じ日程。毎年、札幌開催が少し長くなるという噂は流れるが、どうも北海道に関しては函館6週、札幌6週で定着してしまったようだ。

 年始に視線を戻して見ていくと、まずちょっと画期的なのが、年明け初日の金杯を1月6日に持ってきたことか。中央競馬の開幕というと1月5日でほぼ固定されていたが、来年の5日は金曜でまったくの平日。8日の月曜が祝日ということもあり、土、日、月曜の3日連続開催にしたのだろう。この方が金杯も盛り上がりそうだし、これはいい判断なのでは。仕事始めの3日もバタバタしなくて済むのは有り難い。

 2月の目玉は何と言っても2週目の変則開催。3場開催を土、日、月で2場ずつやるパターン。つい先日も東京、京都、福島でやったばかり。今年の春は中山、阪神、中京で3月に行われたが、来年は小倉が絡んでくるというのがミソ。普通にいくと月曜は栗東でお留守番だが、ラジオ中継を現地からやる可能性が少しあるらしい。それに出演となれば4年半ぶりに小倉競馬を生で観られることになる。是非とも実現してほしいものだが、当日は重賞があるわけでもないだけに、あまり期待し過ぎない方がいいのかも。

 3月は金鯱賞が日曜開催になり、中山牝馬Sが土曜日に。レースの格とGⅠに向けての直結度というのを考えれば、これでいいだろう。あと、チューリップ賞がついにGⅡに格上げされた。また、阪神大賞典週の変則3日開催がなくなった。これが2月の小倉のところに移ったという感じか。

 4月はアーリントンCが移動してきて、NHKマイルCに直結するレースに。5月は京都に新設重賞で、3歳馬による芝1200mの葵Sができた。2歳~3歳にかけては小倉2歳Sが終わってしまうと、もう1200mの重賞がなかっただけに、これはいいことだろう。

 6~10月は今年と同じような感じ。サマーシリーズは冒頭に書いたが、秋競馬の前半も9月と10月に土~月曜の3日開催が1度ずつ。もう慣れてきたので、特にどうということはない。

 11月は来年最大の目玉だろう。JBC3競走が何と京都競馬場で行われる。恐らく地方馬の出走はグッと減って力差が縮まるだろうし、どのレースもフルゲートの16頭立てになるのは間違いなし。中央の販売網を使えば、売り上げもこれまでとは比べものにならないくらいの巨大な額になることだろう。ただ、これは今回の一度切りにしてもらいたい。やはりJBCは、地方競馬の祭典という位置づけであるべき。空前の盛り上がりを見せただけに、また園田でも開催してもらいたいものだが。

 12月は今年に続いて、28日にポツンと開催があるのが気になる。果たして初の試みとなる今年は盛り上がるのだろうか。誰ひとりとしてこの日程を歓迎しておらず、馬券を買うのを控えよう、なんていう声も聞こえているが、レースをやっていれば買ってしまうのがトラックマンの性。売り上げ額に注目したいところ。

 この時期になると毎年このテーマで書いている気がするが、いろいろと突っ込んだりできる点もあるので、ネタに困ることが多いトレセン通信を担当する際には、結構助かっている。今年はあと一回、当番があるのか…。次は有馬記念の回顧くらいになるのかな。

栗東編集局 青木行雄

青木行雄(調教担当)
昭和44年8月7日生 大阪府出身 A型
1993年入社。坂路調教を担当。札幌と西のローカル開催では2歳戦と3歳未勝利戦を中心に、本紙予想も担当。開催日はMBSラジオ「GOGO競馬サンデー!」、BS11「BSイレブン競馬中継」に出演。このところラジオの馬券プレゼントコーナーに関してはマズマズいい調子なのだが、個人の馬券に関しては爆発とまではいかない現状。5~8月あたりはかなり調子が悪かっただけに、年間プラスに持ち込むにはかなり巻き返さないと厳しい。当日版推奨馬コーナーがバシッと当たれば、それも夢ではないのだが、3連単の難しさを実感している日々。