新潟開幕に思うこと(吉田幹太)

 8月が始まりました。

 その1日の火曜日は3時間くらい断続的に続いた雷雨のおかげで、秋のような過ごしやすい午後に。

 月が変われば流れも変わる。このうんざりするような蒸し暑さも7月とともにどこかへ持っていてくれないだろうか。関東圏を一気に冷ましてしまう自然の力にあらためて驚きを感じて、しばし、気分のいい夕方を楽しみました。

 しかし、先週の新潟競馬は激烈な暑さだった。

 我々は返し馬、レースの時にしか外へ出ることはないけれども、馬と厩務員さんはそうはいかない。

 ミストの効果があるにしても、年々、危険を感じる暑さになってきているのは間違いなさそう。

 来年から始まるとされている昼の長い休憩。確かに対策は取らなければならないのだろうけれども、再開する3時はもちろん、現状、ひと通り仕事を終わらせてから引き上げる5時でもおそらく30℃は優に超える暑さ。

 ならば他に手はないのか。

 パッと思いつくのはナイター開催。この2週間だけでも休むという手もあるか。或いは北海道だけやるという選択肢もある。

 ついつい妄想するのは夏の軽井沢開催。

 これは若い頃から冬の沖縄開催と並んで冗談みたい話していたこと。当時は馬も現地に滞在することが多くて、当然、出張も長期の滞在になる。そうなるとメンバーは固定のベテランと相場が決まっており。夏場はほぼ美浦に居残り。

 若手が行けるとすれば新たな開催場くらいしかない。

 ということで妄想を膨らませて、目一杯楽しめそうな状況を考えて出てきたのが前述の2開催。

 もちろん、実現にはほど遠いいからどんどん妄想は膨らんで行く。

 新たな競馬場にはホテルを隣接。お客さんには滞在して長く楽しんでもらおう。

 プールにスパに地方競馬の場外、さらにはカジノなどもできれば最高だ。

 週中から存分に娯楽を用意して、朝には部屋から調教の様子を見れるなんていうのも魅力的ではないだろうか。

 まさにスーパー総合リゾート。

 今のご時世なら、海外のお客さんにも喜ばれるのではないだろうか。

 やはり、こんなことを思い出して、少しは現実逃避したくなるのはここに来ての尋常じゃない暑さのせいだろう。

 先週は開幕週の名物レース、アイビスサマーダッシュに2万人近くのお客さんが来場。

 こうなると公共交通機関の乏しい新潟競馬場は帰りが大変なことになる。

 駐車場から車が出るだけでも軽く30分はかかるような状況。

 更に5時を回ってもバスを待つお客さんは長蛇の列。

 30℃を超えるだけではなく、湿度も非常に高かった。

 これではせっかくいい競馬を見ても、競馬場の印象が悪くなってしまう。

 コロナ禍の影響で、自分も多くの人が来ると驚くとともに少し怖いような感じも受ける。

 しかし、いつまでも在宅で楽しむのが本来の競馬の姿ではないはず。

 実際に日中はいろんな出店も出ていて、お祭りのような雰囲気。

 これで行きも帰りもスムーズならば、より競馬場の印象も良くなることは間違いない。

 妄想、リゾート競馬は無理にしても、ほど良く暑さを交わしながらの開催が望まれるのだろう。

 それが昼休み競馬になるんだろうか?

 何とも悩ましいが、自分がやらなければならいのはどちらにしても変わらない。

 先週はさっぱりでしたが、それを踏まえての今週。

 しっかり、東西合戦、猛暑競馬にも対応して、いい配当を狙い撃ちます。

美浦編集局 吉田 幹太


吉田幹太(調教担当)
昭和45年12月30日生 宮城県出身 A型
道営から栗東勤務を経て、平成5年に美浦編集部へ転属。現在は南馬場の調教班として採時を担当、グリーンチャンネルパドック解説でお馴染み。道営のトラックマンの経験を持つスタッフは、専門紙業界全体を見渡しても現在では希少。JRA全競馬場はもとより、国内の競輪場、競艇場、オートレース場の多くを踏破。のみならずアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、イギリス、マレーシア、香港などの競馬場を渡り歩く、案外(?)国際派である。