家庭内 CLUB KEIBA(宇土秀顕)

▼5月22日のWIN5……

①京都10R  トップゾーン 2番人気
②東京10R  ヒラボクワイルド 3番人気
③新潟11R  セブンシークィーン 10番人気
④京都11R  ワンダーアキュート 2番人気
⑤東京11R  エリンコート 7番人気

↑これで初の1億円(正確には1億4685万110円)が飛び出しました。最大の難関となったのは新潟11Rでしたが、GⅠの高松宮記念でも逃げまくったあのセブンシークィーンが準オープンでの直線競馬……。近走は不振続きだったといえ、買えたような気がしなくもありません。そう思った刹那、オークスはどうなんだ?という疑問の声はどこかに飛んで行ってしまい、「1億円は意外と自分の側で笑ってる?」という妄想が急速に広がってきたのでした。まるで夏山のカミナリ雲のごとく……。これこそJRAの思うツボです。

▼100円で1億円は無理
 で、翌週……。まず、初参加となるWIN5をどう買うべきか考えてみました。WIN5=五つの単勝の集合体。紙面で印を打っていない立場とはいっても、「◎に決めた馬以外の単勝を買えますか?」と自問すれば、答えは勿論「否」。したがって1レースに選ぶのは1頭だけ。
 では何点か? 算数の苦手な自分、ひと呼吸置いてから、それがWIN5でも、WIN10でも、いや、仮にWIN100であったとしも1点買いになることに気がついて、大きな壁に当たったのです。「100円の元手で1億円を獲りにいく欲張りに神様は微笑んでくれますか?」と問えば、答えはこれも「否」でしょう。
 悩んだ挙句にひねり出した名案(?)が“嫁を誘う”作戦、いや、“家庭内CLUB KEIBA”作戦とでも呼ぶべきでしょうか。嫁を誘って各レース1頭ずつ選択すれば2×2×2×2×2、これで合計32点。単純計算で的中確率は32倍に跳ね上がります。
 まあ、1億円の前では100円も3200円も大差はないですが、要は気持ちの問題。結局、自分一人で2頭ずつ買うのも一緒かも知れませんが、それも気持ちの問題。そして、2週続けて1億円が出るんだとハナから決めつけていたのも、やはり気持ちの問題。

▼50万円ならいらない(嘘)
 記念すべき“家庭内CLUB KEIBA”の最初のWIN5は下記の通り。左は悩みに悩んだ末、自分が選択した1頭。右は嫁が選んだ1頭。面倒くさいので結果も一緒に記しています。

レース  馬 名 着順 人気  馬 名 着順 人気
京都10R  ディアビリーヴ ②着 3人気  キャプテンマジン ⑥着 4人気
東京10R  シグナリオ ⑯着 9人気  マイネプリンセス ⑩着 3人気
新潟11R  アポロドルチェ ⑨着 5人気  シャウトライン ③着 6人気
京都11R  アスターエンペラー ⑤着 4人気  マルカベスト ⑥着 1人気
東京11R  クレスコグランド ⑤着 9人気  デボネア ⑫着 3人気

 さて……。ひとつも当たりませんでした(笑)。ちなみに我がチームで唯一選んだ1番人気馬が、この日のWIN5で唯一敗れたマルカベスト。こうなるともう、気持ちいいくらいの外れ方といえるでしょう。ちなみに、この日の結果は1、1、1、8、1番人気で配当は55万5070円。まあ、50万円ぽっちのお金を獲りに行った訳ではないので、大して悔しさはありませんが……。

▼平凡な結論に至る
 ただ、そうはいっても“スタート直後に落馬した馬の馬券を握っている”、そんな気分が延々と1時間も続くのは如何なもんでしょう?
 少なくとも後半のレースまで夢を見続けるには、今回の2×2×2×2×2の32点より、3×3×2×2×1の36点の方が可能性が高い訳です。あと400円の追加料金を払っても、楽しみたいのなら間違いなくそちら。さらに、東西メインレースを乾坤の一点勝負として、4×4×2×1×1なら後半まで楽しめる可能性は更にアップ。ちなみにこれなら同じ32点です。まあ、誰でもすぐに気がつくことでしょうが……。
 さて、ここで問題になるのが、「◎に決めた馬以外の単勝を買えますか?」という前述の問いかけですが、WIN5=五つの単勝の集合体といった発想はこの際、アッサリと捨てます(笑)。そんなものとはまったく別次元の「お楽しみ馬券」、それこそがWIN5なのでしょう。これが初めてのWIN5参戦で得た結論でした。
 そのうち1億円が当たったら、ここで報告します。

▼アパパネにはすでに賢母の相
 ところでWIN5の話題とはまったく離れますが、右の写真は安田記念1週前のアパパネです。撮影は小社の鈴木大作カメラマン。週刊誌フォトパドック用に立ち馬の撮影を終えた後で、リラックスした“いい表情”を捉えた一枚です。鈴木カメラマンのアパパネ評は「とにかく聡明な馬で、立ち馬の撮影もまったく手間がかからないんですよ」とのこと。更に続けて、「周囲の人間の気持ちを理解して行動するような馬なので、無駄に力を使うこともない。だからこそ、これだけの成績を残せるんでしょうね」と、乗馬経験豊富な鈴木カメラマンならではの分析。
 ちなみにこの写真、週刊誌の厩舎レポート用に押えた一枚とのことですが、残念ながら週刊誌では未使用となりました。そして、これも残念ながら安田記念では6着に終わってしまったそのアパパネ。ですが、将来はいいお母さんになるであろう、そんな優しくもあり、また、賢そうでもある表情をしたこの一枚がボツになったしまうのは忍びなく、ここで紹介させてもらった次第です。

美浦編集局 宇土秀顕