地道に重ねた白毛のメモリアル(坂井直樹)

 こんにちは。栗東の記録調べ太郎こと、坂井です。

 先週日曜、阪神7Rでダノンハーロックが、東京11Rでハヤヤッコが、それぞれ出走しました。この2頭の共通点は? はい、どちらも白毛馬ですね。目にする機会が以前より格段に増えた白毛馬ですが、それでも極めて少数。JRAで複数の白毛馬が同じ日に出走したのは、これが14例目でした。

★白毛馬の同日出走
【2015年】
◎8月11日
大井2Rダイヤビジュー(7着)、大井7Rミスハクホウ(2着)
◎10月13日
大井1Rダイヤビジュー(13着)、大井4Rミスハクホウ(4着)
【2017年】
◎1月17日
京都4Rシロニイ(2着)、京都9Rブチコ(4着)
◎9月3日
新潟6Rハウナニ(3着)、小倉10Rシロニイ(3着)
◎10月28日
東京8Rカスタディーヴァ(7着)、京都12Rシロニイ(6着)
【2018年】
◎4月8日
福島3Rカスタディーヴァ(11着)、阪神12Rシロニイ(15着)
◎5月27日
京都6Rホワイトドラゴン(14着)、京都9Rシロニイ(3着)
◎6月24日
東京5Rハヤヤッコ(3着)、阪神12Rシロニイ(10着)
◎12月28日
中山6Rマイヨブラン(1着)、中山10Rシロニイ(10着)
【2019年】
◎1月26日
東京4Rハヤヤッコ(2着)、京都4Rサトノジャスミン(12着)
◎6月30日
函館12Rハウナニ(8着)、中京12Rブッチーニ(9着)
【2020年】
◎11月22日
阪神7Rブッチーニ(2着)、東京8Rマイヨブラン(7着)、阪神10Rシロニイ(9着)
【2021年】
◎3月21日
阪神7Rブッチーニ(1着)、阪神11Rシロニイ(4着)
◎10月24日
阪神7Rダノンハーロック(1着)、東京11Rハヤヤッコ(4着)

 まだ同日2勝以上の例はありません。それは今後の楽しみにとっておきましょう。

 さて、私の手元の資料によると、この10月24日にもうひとつ、白毛馬の記録が達成されました。阪神7Rのダノンハーロックが、国内におけるサラ・サラ系白毛馬の通算500回目の出走だったのです(坂井調べ)。国内で走ったサラ・サラ系の白毛馬はこれまでに36頭いたようです。

★白毛馬一覧
ハクタイユー(牡)
1979/5/28生 4戦0勝 JRA
カミノホワイト(牝)
1983/5/2生 1戦0勝 JRA
ミサワパール(牡)
1991/4/17生 1戦0勝 JRA
ハクホウクン(牡)
1994/6/8生 32戦3勝 大井→船橋
シラユキヒメ(牝)
1996/4/4生 9戦0勝 JRA
ホワイトワンダー(牝)
1996/4/10生 31戦2勝 上山→栃木
ホワイトペガサス(牡)
1998/3/11生 43戦8勝 浦和→大井
シロクン(牡)
2003/2/20生 5戦0勝 JRA
ホワイトベッセル(牡)
2004/3/18生 17戦3勝 JRA
マルマツライブ(牝)
2004/4/3生 51戦2勝 北海道→船橋→北海道→兵庫 
ハクバノデンセツ(牡)
2004/4/8生 2戦0勝 川崎
ユキチャン(牝)
2005/3/28生 17戦5勝 JRA→川崎 
ハクバノイデンシ(牝)
2005/3/29生 4戦0勝 川崎
マダムブランシェ(牝)
2005/4/14生 4戦0勝 JRA
ハクホウリリー(牝)
2008/3/26生 2戦0勝 北海道
マシュマロ(牝)
2009/3/23生 12戦2勝 JRA
ブラマンジェ(牝)
2010/3/22生 3戦0勝 JRA
マーブルケーキ(牝)
2010/3/22生 24戦3勝 JRA
ブチコ(牝)
2012/4/27生 16戦4勝 JRA
ユキンコ(牝)
2012/5/24生 14戦0勝 JRA→北海道 
ミスハクホウ(牝)
2012/5/8生 65戦3勝 大井→愛知→岩手 
シロインジャー(牡)
2013/2/24生 4戦0勝 JRA
ダイヤビジュー(牝)
2013/4/3生 7戦0勝 大井
シロニイ(牡)
2014/2/13生 38戦4勝 JRA
ホワイトドラゴン(牡)
2014/3/1生 12戦1勝 JRA
カスタディーヴァ(牡)
2014/9/25生 11戦1勝 JRA
ハウナニ(牝)
2015/1/26生 11戦2勝 JRA
ハヤヤッコ(牡)
2016/2/10生 24戦5勝 JRA
マイヨブラン(牡)
2016/3/1生 6戦1勝 JRA
ブッチーニ(牝)
2016/5/10生 11戦2勝 JRA
サトノジャスミン(牝)
2016/1/24生 2戦0勝 JRA
ウアラネージュ(牝)
2017/1/26生 1戦0勝 JRA
ソダシ(牝)
2018/3/8生 8戦6勝 JRA
ダノンハーロック(牡)
2018/3/4生 5戦3勝 JRA
デルマイダテン(牡)
2018/5/13生 2戦0勝 JRA
ハイアムズビーチ(牝)
2019/1/21生 2戦1勝 JRA

【参考:不出走・未出走の内国産白毛馬】
ミサワボタン(牡)1993/3/23生
ハクタイヨー(牡)2001/5/5生
シロベエ(牝)2008/2/28生
ハクバノイデンシの14(牡)2014/4/22生
ラテマキアート(牝)2017/2/17生
カスタディーヴァの20(牡)2020/2/12生
マシュマロの20(牝)2020/4/6生

 縦長で見づらくてごめんなさい。
 地方では2013年生まれのダイヤビジュー以降、白毛馬の登録がないので、出走、不出走合わせてサラ・サラ系白毛馬は国内ではこの43頭。その通算出走数は2021年10月24日終了時点で501となりました(重ね重ね坂井調べ)。通算勝利数は61。日本における白毛馬初勝利は1998年12月30日大井5Rのハクホウクン、JRA初勝利は2007年4月1日阪神1Rのホワイトベッセル。ソダシの札幌記念が区切りの60勝目となりました。

 数が少ない分「初モノ」は多いのですが、ソダシのおかげで「GⅠ」「クラシック」の初制覇は達成済み。あとは牡馬クラシックやグランプリ制覇、国外GⅠとなれば大きな話題となりそうです。変わった記録を持った馬という点では、カスタディーヴァが負担重量47キロで出走した記録があります。藤田菜七子騎手騎乗で当時話題になったので、記憶に残っている方もおられるでしょう。一方で障害戦に出走した例はゼロ。上記の通り、同じレースに2頭以上が出走したこともありませんから、ワンツーフィニッシュなども未達成です。

 1982年2月28日、中山6R新馬戦でハクタイユーがデビューしてから、おおよそ40年。時間をかけてじっくりと、しかし着実に記録は積み重ねてこられました。これからも記録調べ太郎として追いかけていきたいと思います。

▲記念すべきハクタイユーのデビュー戦(9着)

栗東編集局 坂井直樹

坂井直樹(調教・編集担当)
昭和56年10月31日生 福岡県出身 O型
今回の記録を「サラ・サラ系」としたのは、ばんえい競馬にも白毛馬がいるから。弊社ばんえい担当生駒TMによると、ばんえいで登録された白毛馬は2010年生まれのハクバビューティー(6戦0勝)と、その息子ハクバボーイ(24戦1勝)の2頭だけだそう。ちなみに重種馬の毛色の種類は軽種馬より多く、なかには「駁毛(ぶちげ)」という毛色も。ホルスタイン柄で話題となったモノクロチャンは「青駁毛」だそうです。