有馬記念など(丹羽崇彰)

こんにちは、丹羽崇彰です。
年内最後の更新を担当することになりました。

とはいっても28日の競馬の準備で休日関係なく仕事が入っておりまして、毎年ながら有馬記念が終わってからモチベーションを維持するのに苦労しています。

この原稿を書いているのは12月25日(月)の早朝、栗東の坂路にてです。

普通は月曜日は全休日で地方交流競走に使うごく限られた馬だけが運動できるのですが、今日は28日の競馬に使う予定の馬も、特例で運動や追い切りが許されています。

結構馬が来ると見て坂路に来てみたのですが、開場から1時間、坂路で追い切った馬は3頭のみ。水曜日の最も忙しい時で1分間に40頭ほど追い切る栗東坂路ですが、今日は20分に1頭の割合です。気温1度のなか、ただ待つというのもなかなかの苦行です。何か作業をと思い、この原稿を書いています。
あ、ちょうど今、東京大賞典に出走予定のグロリアムンディがCWの向正面を走っています。
気配は……まぁ普通です。

せっかく有馬記念が終わったばかりのタイミングなのでレースについて振り返ってみようと思います。
まず私の本命だったタスティエーラ。前走の馬体重が480キロ、調教後(12月20日)の馬体重488キロ、そしてレース当日が498キロで過去最高体重だったのには驚きました。美浦→中山が近いとはいえ、調教後から10キロ増えているのはレアケースです。
発馬後のダッシュがひと息で、馬群の中での競馬。タイトルホルダーが後続を離して逃げる展開になりましたが、この馬は少しずつ位置取りが悪くなっていきました。勝負どころでの加速もひと息です。直線に向いて1F標の手前で外からジャスティンパレスに押し込まれる不利がありましたが、これは自身に脚があれば回避できていたもののように感じました。そこから立て直して6着まで来てはいるものの、古馬の一線級とは少し差のある結果となりました。結果的に馬体増も影響していたように思います。ただ、それでも3歳勢では最先着でしたし、来年に向けていい内容だったのではないかと思います。

勝ったドウデュースは秋3走目でも、パドックの気配は今季で1番良かったように思います。スタートが良くなかったうえ、天皇賞・秋で折り合いの不安を示していたので、最後尾に近いポジションでじっと構えて機を窺います。2周目の3角、残り4~3Fから動き出しますが、直後にいた人気のジャスティンパレスが進出を開始する直前のタイミングでした。武豊騎手は後ろに目がついているのかというタイミングです。外からスムーズに上がっていき、4角では一気に2番手へ。そのまま脚を使って一丁上がりという鮮やかな勝ちっぷりでした。観戦記で吉岡TMも書いていましたが、天皇賞→JC→有馬記念と走り切り、最後を勝利で飾った点は素晴らしいとしか言えません。武豊騎手は天皇賞当日の新馬戦で負傷して、有馬記念の前週に復帰したばかり。それで決めるのだからさすがです。

惜しむらくはスターズオンアース。ルメール騎手が好発を切らせたことで、外枠の不利はスタート直後に帳消しできましたが、3角で内にモタれてラチに接触しやや減速。直線も内にモタれていましたが、ドウデュースとの着差(半馬身差)を考えると、スムーズだったらもっと際どかったように思えます。この馬も6カ月半の休み明けから有馬記念で2走目。1つ下の女王リバティアイランドとの対戦が待ち遠しくなる内容でした。

今回が引退レースのタイトルホルダーも見せ場十分。

馬券は当たりませんでしたが、本当にいいレースが見れたと思います。

負け分は、混戦模様のホープフルSできっちり回収したいと心に誓っているところであります。

今年もお世話になりました。みなさま、よいお年をお迎えください。

あ、ちなみに25日の坂路の追い切りは結局3頭だけでした。10年のキャリアで最小です。

 

では。

 

 

栗東編集局 丹羽崇彰

丹羽崇彰(調教担当)

1989年2月1日生まれ。2013年、キズナがダービーを勝った年にケイバブックに入社。普段は栗東坂路の調教や編集作業を担当。夏場は北海道に出張します。週刊誌の新馬紹介のコーナーを担当しているので、新馬の観察に特に熱を入れている。

Twitterを@niwa_bookのアカウントでやってますので是非ご覧ください。今はXか。