新幹線で北海道へ(青木行雄)

 今年も3カ月の北海道出張がスタート。往路の目玉企画として、今回は東海道、東北、北海道と新幹線をリレーをして陸路で函館へ。ただ、東京行きの列車を違うのに乗ってしまうという凡ミスを犯し、出だしから大きく躓いた。当然ながらチケットに記されている座席には他の人が座っており、デッキで立ったままの移動。ただ、乗り遅れたわけではなく、1本速いものに乗ってしまっていたので、名古屋で乗り換えることができたのは不幸中の幸いだったかも。

 東京で乗り換え、ここからがいよいよお楽しみの東北新幹線。平日の朝一番だったので空いているだろうと思っていたが、意外にも8割方は埋まっていた。隣の席にもキッチリと乗客がおり、結局、新函館北斗までずっとお付き合いする形。ただ、前後の間隔が少し広かった分、それほど窮屈さはなかった。シートも深くスッポリと座れる感じで、東海道新幹線と比べても乗り心地は良かった印象。

 普段まったく縁のない土地を通過するだけに、車窓からの眺めも新鮮。中でも一番感激したのは浦和あたり。ロッテの二軍施設と巨大なお菓子工場がデーンと登場したのには、かなり圧倒された。仙台を過ぎたところで遠くにチョロッと見えていた、ひとめぼれスタジアム宮城もなかなかの存在感。「ここで大きなコンサートが行われるのか」「でも、ちょっと不便そう」なんてことを思いながら、更に北へ。しかし、これ以降、景色がやや単調に。まだまだ距離も残しており、ここから新青森まではかなり長く感じた。

 青函トンネルに入って、ここからは北海道新幹線に。社内アナウンスで丁寧な説明があったが、所詮はトンネルの中。真っ暗な景色が続くだけで、特に感動するような場面まではなかった。地上に出て「北の大地へようこそ!」的な放送があったものの、凄い景色がバーッと広がるわけでもなく、トンネル突入前と大差なし。そうこうしている間に新函館北斗駅に到着した。

 この新駅も周辺には何もなく、スカーとした風景が広がるばかり。函館までは専用列車の「はこだてライナー」がすべての新幹線と接続されており、所要時間は約15分。全員が座れるわけではないが、混み合うほどでもなし。新函館北斗が函館中心部から遠いということが問題視されているが、そんなに不便さを感じることはなかった。

 栗東から函館まで8時間にも及ぶ電車の旅。さすがにちょっと疲れたし、早目に予約すれば値段も飛行機の方が圧倒的に安い。正直もう1回やってみようとは思わないが、いい経験にはなった。函館滞在中の休日に青森や、ちょっと頑張って仙台あたりへ観光しに行くのなら、北海道新幹線の利便性は高そう。

 この3年で色んな移動手段を試したが、結局、自分に一番合うのはフェリー&車のような気が。往路は違う人間が栗東から車を運ぶので、復路しか担当できないが、ゆっくりと時間が流れる感じがとても心地いい。まだ3カ月弱も先のことだが、乗船できることを楽しみにしている。

栗東編集局 青木行雄

青木行雄(調教担当)
昭和44年8月7日生 大阪府出身 A型
1993年入社。栗東では坂路調教担当。今年も北海道シリーズの通し出張(函館→札幌)にやってきた。「もう1年行ってくれ」と伝えられての今回。調教班の若手TMが今夏の小倉で滞在出張を初経験するだけに、手応えを掴んで帰ってくるようなら、来年は彼等が北の大地に上陸している可能性もなくはない。ヒョッとしたら最後の北海道!?