舞台は札幌へ(青木行雄)

 北海道の長期出張も折り返し地点を過ぎ、先週からは札幌開催に突入。今週の週刊競馬ブック、ウイークリーログでも少し書いたが、今年はこれまでの列車ではなく、自分で車を運転しての長距離移動。運転するのは嫌いではないし、会社の車はなかなか乗り心地もいいので、大変とは思いつつも、少し楽しみにしていた。

 前年まで同じ車を札幌まで運んでいた社の後輩に「カーナビに登録されていない道があるので、スマホのナビも併用した方がいい」というアドバイスを受けていたので、前半はナビ二刀流。最初はふたつとも同じ案内をしてくれていたが、大沼公園あたりで指示が違うものに。データが最新のスマホの方を信頼すると、高速道路の乗り口が。この区間はどうやら最近できたものらしく、車のナビ画面は何もない白~い部分を走行。到着予想時間も表示できず、???という感じになっていた。

 二刀流がうまくいったと満足していたが、これが結果的にはやや失敗。遠くに時々、海は見えるものの、ほとんどが山の中を通るだけという単調なドライブ。サービスエリアで北海道グルメでも満喫しようと思っていたのだが、本州のものに比べると中身は簡素。これといった盛り上がりもなく、呆気なく札幌に着いてしまった。

 到着した日の夜は、馴染みのお店に挨拶がてら出向いた程度で早目に就寝。次の日の調教取材に備えた(開幕週は各社の顔合わせのため、調教班も火曜の朝に出るのが通例。熱心なTMさんは2週目以降も自主的に出ておられる)。

 札幌の調教といえば、厄介なのが向正面の朝日。モロに照らされるので眩しいことこのうえなく、帽子を被ったり、中にはサングラスをかけて対応する方も。かといって、雨になると騎乗者がカッパを着用するので判別が一気に難しくなってしまう。札幌の朝は曇りが一番有り難い。

 1週目は意外と滞在馬が少なく、翌週に重賞が組まれていなかった分、フォトパドックの仕事もなし。地味~にプレッシャーを感じる仕事なんかはあったが、何とか無事に乗り切って週末の競馬開催に突入した。

 開幕週はいきなりグリーンチャンネルのパドック解説の当番。中央開催時にBS11で担当してはいるものの、番組の流れがまるで違い、難易度はこちらの方が遥かに上。近年、グリーンチャンネル出演はこの札幌開催時しかないのでちょうど1年ぶり。かなり緊張しながら臨んだが、番組を観ていた社内の悪友からは「ちゃんと喋ってた」というジャッジを頂けたので、一応ひと安心。あと2回、出演機会が残されているので、落ち着いてゆっくり喋ることを心掛けたい。

 函館競馬場のゆったりとした雰囲気は大好きなのだが、やはり大都市の札幌に舞台が替わると場内の空気も違うものに。新スタンドも3年目ということもあってか、開幕週に関しては大混雑というほどではなかったが、レース時の歓声の大きさは中央開催と比べても遜色がないくらい。ほぼ毎週、重賞が組まれているのでスターホースの出走もあり、秋に向けて見逃せないレースが続く。札幌記念にはモーリスが出走するらしいので、2年前のような大フィーバーがあるかも。非常に楽しみである。

 レース以外の部分でもグルメイベントなどはかなり充実しているが、これは仕事の都合上、参加することができないのが残念なところ。レギュラーのお店も函館に比べると行列が凄いので自分では食べに行くことができない。ただ、店舗は限定されるが、記者席に運んできてもらえるものもあり、なると屋の「ざんぎ丼」はかなりのお気に入り。ホカホカの状態で持ってきてもらえることはほとんどないのだが、冷めていても美味しいのがいいところ。記者席では、ほぼこれしか食べていない。

 そんな札幌開催だが、まだ始まったばかりと取るか、ひと月後には栗東に戻っているのだから、あと僅かと取るか。休日の過ごし方がリッチなものになるか、地味なものになるかはやはり馬券の成績次第。開幕週はちょいプラス程度だったが、読者の方にも喜んでもらえるよう、一回くらいはドカンといいところを当てたいものです。

栗東編集局 青木行雄

青木行雄(調教担当)
昭和44年8月7日生 大阪府出身 A型
1993年入社。栗東では坂路調教、夏場は北海道に出張しての調教班。2歳戦と一部の3歳未勝利戦の本紙予想を担当。札幌開催限定でパドック解説のため、グリーンチャンネルにも出演。夏の北海道出張も今年で3年目。仕事に関してはキツい部分もあるのだが、北海道自体はこよなく愛する土地。3年ひと区切りということで、来年からはイキのいい若手TMにバトンタッチを、と考えていたりもするが…。気持ちはユラユラと揺れている。