どうなる2017年中央競馬(青木行雄)

 先日、来年の中央競馬開催日割が発表された。新聞などでも大きく取り上げられており、さまざまな意見が述べられているが、好意的なものはほとんどなし。自分としては冬のローカル開催期間中に1週の中休みがあったので、その点だけは良かったが、正直どうなんだろうと思う点が多い。順番に挙げていくこととする。

 年の初めから見ていくと、まずはオープニングの金杯デー。恒例の5日スタートだが、来年はまったくの平日となる木曜日。1日置いて通常の土、日開催が組まれているが、どうせなら思い切って7日開幕にして祝日を利用した、土~月曜までの3日連続開催でも良かったのでは? そうなれば、いつもよりちょっとゆっくりな、4日の仕事始めが実現したのに。

 その後は3月2週目に金鯱賞が持ってこられた点に少し違和感を覚える程度で、しばらくの間はさしたる変更も見られない開催が続く。そして4月になると、今回の番組改革のひとつ目の大きな目玉。GⅠに昇格となった大阪杯が登場。確かに近年のこのレースは豪華なメンバーになることが多く、これに今までならドバイへ遠征していた組が加われば、GⅠに相応しい顔ぶれとはなりそう。

 ただ、大阪杯がGⅠになっても、結局、中距離志向の一流馬は春の天皇賞には向かわないわけで、次の宝塚記念までは相当にレース間隔が開く(鳴尾記念も天皇賞の1カ月以上先)。また、大阪杯と宝塚記念は同じ阪神で、どちらも内回りコース。距離も200mしか違わないので、同じようなレースになってしまって新鮮味がない。自分としては格上げさせるべきレースは、4月頭の大阪杯ではなく、春の天皇賞翌週にある新潟大賞典だったのではと思う。GⅠとまではいかなくとも、札幌記念などと同格の、いわゆるスーパーGⅡにしても良かったのでは。直線が長いだけに、レースとしても見応えは十分ありそうだが。

 夏競馬に関しては、まったく変わりなし。北海道シリーズが1週長くなるというのも、今回に関しては噂止まりだった。札幌は本当に沢山のお客さんが来て、場内も盛り上がっているだけに、1~2週くらい延ばしても良さそうに思うが。それは来年以降のお楽しみといったところか。

 そして秋競馬。9月開催で3日間競馬が復活したが、これは最近よくやっていたので、大きな驚きまではなし。あまり嬉しくなかったのは11月1週目の3日間競馬。これは初めてのパターン。しかも金~日曜の開催で、地元の京都は金曜と日曜が開催日。1週間の過ごし方が難しそう。また、これって大問題でしょ? と感じてしまうのが、地方競馬の祭典JBCを中央競馬と同日の開催にしてしまった点(3日の金曜)。ナイターだとしたら、レース時間までバッティングすることはないのかも知れないが、ジョッキーにとってはありがたくない決定なのでは。大井の売り上げや来場者もあまり伸びないような気がするのだが。

 あとは、今回の改革で散々叩かれている12月28日の開催。やはり競馬関係者にとって、有馬記念は特別なレース。自分もそうだが、これで1年を締め括りたいと思っている人が、圧倒的多数だろう。完全なる平日でも開催すればそれなりには売れるだろうが、どう考えてもモチベーションは上がらない。その日に行われるホープフルSがGⅠに格上げされる可能性が高いようだが、そうなったらなったで朝日杯の立場は…といったところ。最優秀2歳牡馬の選定もややこしくなってきそう。いやあもう、来年の1回限りにしてほしい。

 何か文句が多くなってしまいましたが、来年の競馬も大いに盛り上がってほしいとは思ってます。心から。

栗東編集局 青木行雄

青木行雄(調教担当)
昭和44年8月7日生 大阪府出身 A型
1993年入社。坂路調教担当。北海道シリーズと西のローカル開催では2歳戦と未勝利戦を中心に本紙予想も担当。開催日はMBSラジオ「GOGO競馬サンデー!」、BSイレブン「BSイレブン競馬中継」に出演。とりあえず来年も、真冬の北海道ツアーには行けそうなので、ひと安心。それにしても札幌はホテルの料金が高い。雪祭りと重なっていたら、どんなだったのだろう。