東京(青木行雄)

 例年、新潟競馬場に出向いていたヴィクトリアマイル当日だが、今年は気分を変えて東京競馬場へ。土曜の仕事を終えて高速バスでいざ東へ。いつもと同じバス会社を利用したが、少し立派なシートを選んだためか乗車率は半分以下。席と席の間隔もゆったりとしていたため、車内でもリラックス。電車や車の座席で寝ると首が大きく傾く癖があるので、起きると少し首の痛みを感じたが、十分に睡眠も取れて目的地の川崎に辿り着いた。

 着いたのは朝の6時半過ぎ。いくらGⅠデーといっても、今からすぐに競馬場に向かうと開門はまだまだ先。しばらく川崎で時間を潰すことにしたが、ここはどうも夜がメインな街のよう。前日が土曜だったので祭のあとといった感じが強く、活気があるのはゴミ置き場を突っつくカラスくらい。人はお疲れ気味で、飲食店も24時間営業のファストフード店くらいしか開いていない。朝食は簡単にそばで済まし(ただ、これが美味い。自分はどうも関東の黒いおつゆが好きなよう)、喫茶店で新聞でも読みながらちょっと一服。そう思ったが…。小粋なチェーン店はどこも禁煙。30分ほど歩き回って、ようやく喫煙席という文字を見つけたのが、ハンバーガー店だった。そこも店内の狭い一角に押し込められる感じで、リラックスするには程遠い雰囲気。早々に退店して、ちょっと早目に競馬場に向かうこととした。

 5週連続でGⅠが開催されている東京競馬場だが、メンバーや時期を考えるとこのヴィクトリアマイルの週が一番ゆったりムードなのかも。最終的に45,000人近くが来場したものの、器が大きいだけに人混みにストレスを感じることはなく、馬券や食べ物を買うのもスムーズ。夕方に用があったので最も盛り上がる時間帯は競馬場にいられなかったが、十分に東京競馬を堪能して帰ることはできた。ただ、馬券はなかなかのマイナス。ビール片手に競馬というのは最高だが、やはり思考は鈍るというか、やや考えが大雑把になっていたかも。小銭で遊ぶくらいにしておけば良かった。

 夕方の用も楽しく済ませ、夜は知人と会食。合流するまでの空いた時間にちょっと一服と思ったが、東京はとにかく喫煙できる場所がない。オリンピックを1年後に控えてイメージアップを図っているのだろうが、これはちょっとやりすぎだろと思えるほど。関西ではコンビニの外に灰皿が設置されているのが普通の光景だが、そんなもの皆無。おまけに歩道のいたるところに路上喫煙禁止という絵が書いてあり、喫煙者にとってはもう八方塞り。ただ、その割に販売の方は普通に行われているのが不可解なところ。ならいっそのこと、東京都内は喫煙そのものを禁止にしてしまえという気持ちにすらなった。

 居酒屋に入り、テーブルに置いてある灰皿を目にした時は、まさに「キターッ」という気分。つい数ヶ月前までは吸わない人だったので、ここぞとばかりにバカバカ吸うようなことはしなかったが、最初の1本はかなり美味しく感じた。

 ここで話を昼間に戻してみると、東京競馬場は喫煙者にとってはかなりの天国かもしれない。スタンド内はさすがに禁煙としても、喫煙ルームは豊富に設けられている。またちょっと驚いたのは、内馬場に関しては屋外スペースの大部分が喫煙可。そこらじゅうに灰皿が設置されており、煙草を楽しんでおられる方を多く目にした。このご時勢、あまり大きな声ではPRできないだろうが、これだけ喫煙者に厳しい環境となっている東京においては、喫煙可という点に意外と集客効果があるかも。口コミなんかでジワジワ広がって、競馬場に多くの愛煙家が来てくれることに期待したい。

栗東編集局 青木行雄

青木行雄(調教担当)
昭和44年8月7日生 大阪府出身 A型
1993年入社。坂路調教担当。札幌開催時と西のローカル開催では本紙予想も担当。開催日はMBSラジオ「GOGO競馬サンデー!」、BS11「BSイレブン競馬中継」に出演。東京を楽しんだ翌日は新潟に移動。競馬場に行けなかったのは残念だったが、温泉や酒蔵を巡り、新潟グルメも堪能。財布はかなり軽くなってしまったが、いい旅ができた。これで前期の有給休暇は終了。今度は秋に小倉へ行こうかなと考えているが、さてどうなるか。